Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

優しかった女性たち

オトコどもはほんまにアカン。

家具づくりが大詰めに来て、天板をどう作るかって話になったのよ。最初はワックス仕上げなどを考えていたんだけど、有害物質ゼロの塗料が手に入らない。存在はするけれどラオスでは見つからんのだ。

我々が出したファイナルアンサーは、ステンレス張りだった。だが、オーダーメードに対応してくれる業者がどこにいるのかさっぱりわからない。そこで思い出したのが、ホームセンターのことだった。たしか作業台のひとつがステンレス張りじゃなかったっけ。

と思って行ってみたら正解だった。重量物をばんばん乗っけているから傷みが激しいが、アイランドキッチンだったらこんなふうにはならんじゃろ。あとはこれをどこで作ってもらったのかを聞き出すばかり・・・と思ったが、そこらにいた男性店員の何人かに尋ねても「知らん」と素っ気ない。スマホ翻訳を介しての会話にストレスを感じているのかもしれないが、ちょっとぐらい考えてみてくれてもいいんじゃ。

「だったらさ、この店でそれを知ってそうなひとは誰かいないかな?」

そう尋ねると一瞬考えこむ素振りは見せるものの、「知らん」の一点張りは崩れない。この店の売り上げになることじゃないから、ずいぶん丁寧な態度で尋ねてるんだけど、とにかく会話が成立しない。

そこでわたしは女性の店員を探し出し、同じ質問をしてみた。するとそのひとはフンフンと頷くなり同僚の女性を呼んできた。きっとそのあたりの事情にくわしいひとなのだろう。

女性はどこかに電話して(おそらくステンレスを加工した業者)少々のやり取りをしたあと、わたしの電話番号を教えろという。

「あーでもラオ語話せないから電話はねえ・・・😅」

「そうじゃないよ、店の位置情報をあんたに送るんだよ(←たぶんそう言った)」

すぐにピロッと鳴って、地図が送られてきた。

今回の体験に限らないことだが、他者への共感(相手の事情を汲み取り、なんとかしてあげたいと思う気持ち)においてオトコどもは女性にはるかにかなわない。同じ店で働き、もしかしたら男性よりも低い給料に甘んじている女性店員が、問題解決能力において男性店員をはるかに凌いでいることは明らかだった。

女性店員にお礼を述べ、地図に導かれてたどり着いた金属加工業者でも同じことが起きた。

鉄製の門扉やステンレス製の什器を製造するこの会社に、木製天板の現物を持ち込んで相談をかけてみた。相変わらず困難なコミュニケーションだったが、3人の女性社員が次々にやってきて、外国人のおっさんの望みをかなえようと頑張ってくれた。

問題がひとつあった。持ち込んだ天板はその時点では少し反っており、あとで修正して真っ直ぐにする予定だったが、もしも現状の反った天板に合わせてステンレスカバーを作ってしまうと、困ったことになる。

「天板は反ってるけど、カバーは真っ直ぐ作ってね」

ただこれだけのことが、スマホでどう翻訳してもうまく伝わらず、しばらく手こずった。実はその段階で年かさの男性社員が話に加わっていたのだが、すぐにめんどくさくなった様子でプイッと消えてしまった。

だが熱心な女性社員たちはいささかも手を緩めることなく、あんな図を描いたりこんな線を引いたりしながら、粘り強くわたしの意図を確かめようとしてくれた。頓珍漢なやりとりを面白がって爆笑すること数度、なんとか互いに了解しあうところまで来ることができた。

お姉さん方、ほんとにありがとね。どういうものが出来上がるかはさておき、あなたたちとのコミュニケーションは楽しかった。

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