ラオスでは、バイクに日用品をくくりつけたベトナム人がやってきて、イヌと交換して去っていくという。ベトナムでは今もイヌ肉食が盛んで、無数のイヌ肉業者が存在し、そこへイヌを売りに来る市民も多いという。そんなイヌたちを救おうと街を駆けまわるひとたちもベトナムにはいる。
このおじさんは商売の邪魔をするなといってご機嫌斜めだったが、5匹で90ドルという「商談」が成立するとお金を受け取っていた(3分35秒)。だがそのあと何か気に食わないことでも言われたのか、レスキューのひとに手を出したりして怒りまくっている。
つくづく文化の違いというのは大きいと思う。子供のころからイヌを食い物だと思ってきたひとたちを相手に動物愛護を説いて伝わるものではない。ベトナム人にイヌ食は野蛮だからやめろと迫れば、牛や豚はいいのにイヌはなぜ駄目なのかと反論されるに違いなく、わたしたちの価値観を一方的に押し付けることはできない。
イヌ食といえばすぐに思い浮かぶのか中国・ベトナム・韓国などだが、インドネシアでも盛んに行われており、ラオスも同様、つまりアジアというのはそういう地域なのだ。そんななか、このたび韓国では犬食禁止法が成立したと聞いて、ほんの少し喜んでいる。先はまだ長い。韓国では食用に犬を飼育する農家が約1150戸、犬肉を扱う飲食店が約1600軒あり、それらの廃転業の補償措置に時間がかかるため、この法律の罰則が実施されるのは今から3年後。その間に殺されてしまう「間に合わなかった」子たちのことを考えると胸が痛むが、大きな前進であることは確か。
日本はどうか。イヌ肉こそないものの、ペットショップや悪質ブリーダーなど金儲け最優先の暗黒ビジネスが放置されている現状はとても先進国と呼ぶことができず、その意味でわたしたちはイヌ食文化のことを怒ったり嗤ったりする資格がないと思うのだがどうだろう。
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