ビエンチャンに「プリベット」という名のロシア料理の店があり、地元民からけっこう愛されているそうな。わたしたちもそのうち行くつもりだったこの店に、最近つらい事件が発生した。
夜中に何者かがやってきて、店のシャッターにペンキをかけていったというのだ。動機は知る由もないが、ウクライナ侵攻いらい世界のあちこちで起きているロシア人いじめだろう。
ペンキで汚されたのは、ウクライナ人の少女の苦心の作だった。
店主がこの事件について在留外国人が主に利用しているフェイスブック・グループ Vientiane Social に投稿したところ、同情と怒りの声に混ざって「ペンキを買って修復に行こう!」という声があがり、翌日にはこうなった。
普段はビエンチャンの生活情報などを交換しているFB仲間が、手に手にペンキと絵筆をたずさえて集まった。
いま世界に散らばっているロシア人は逆風のさなかにある。だが、どの民族でも同じだと思うが、外国に暮らして違う空気を吸うようになると、暴力による領土拡張やくだらない国粋主義に影響されるひとはごく僅かだ。その「ごくごく僅か」の連中が今回のペンキ犯のようなことをするわけで。
修復作業には時間がかかり・・・
夜中までかかった。
そしてウクライナの少女が描いた絵は、鮮やかに復活した。SNSの威力やね。
ところでこの絵にはロシア国旗のほか旧ソ連の旗も描かれている。こうなったいきさつと同時に、在外ロシア人としての店主の経歴や価値観についても尋ねたら、面白い話が聞けるかもしれない。ロシアもいろいろあったからねえ。
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