Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

ルクルーゼは代打?

こういうのを引越しの「事故」に入れていいかどうかわからないが、4年前、アメリカからバングラデシュに引っ越したとき、船便で届いた家財を開梱中、ティーポットを割ってしまった。

夕闇せまる時間帯、作業に疲れて手もとが怪しくなっていたからだろう、ふと動かした空箱の粘着テープの先がティーポットに貼りつき、ぐいと引っ張った。テーブルの端っこに置いてあったポットは宙に舞い、わたしの足もとで砕け散った。

デザインはもとより、たっぷり入る使い勝手のよさゆえ妻が愛用していたポット。わたしはその場で座り込むほど落ち込んだ。帰宅した妻は「しかたないよ」と慰めてくれたが、彼女にとってもショックだったことは間違いない。

同じものをぱっと買ってこられるようなもんじゃなく(理由わかるでしょ?)、あれから数年間、わが家ではたっぷりティーポットの席が空いたままだった。茶飲み家庭としては不便なため、妻が新しいやつを買ってきた。

ホーロー鍋で知られるルクルーゼに、こういうものもあるんやね。次の任地でホームパーティーをどれくらいすることになるのかわからないが、容量1.3リットルあるので、お茶を出すときの手間が少しははぶけるだろう。

追記:ルクルーゼのティーポット、アウトレットモールのメモリアルデーセールにて僅か税込み35ドルで購入。

このティーポットをめぐる会話。

妻「やっぱりねー、いつかはほんとに気に入ったやつが欲しいよねー」

夫「『いつか』っていつのことよ?」

妻「うーん・・・」

夫「そんなこと言ってるとさ、ほんとに気に入ったものを手に入れたときには85歳、それから2年半であの世行きみたいなことになるんだぜ」

妻「そうもいうなあ・・・」

この件は洋服についても当てはまることで、妻は200ドルのジャケットが自分に相応しいのかどうかわからず、買わずに済ませてしまうことを繰り返している。社会人にとってその程度の出費は当たり前だというのに、彼女はかなり腰が引けている。

もともと服装にお金をかけないタイプではあるが、最近ではブリュッセルの悪魔に植え付けられた自己否定感がこういうかたちで表出してくるのかもしれない。

「てか200ドルって最低限じゃね?安物よか長持ちするわけだし、結局お得だよ?」

そんなことわたしが言わなくったって彼女はわかっている。ただ、そのリクツを素直に飲みこめないほど心が病んでいるのかもしれない。妻のことをどれほど自慢に思っているか、ひととしてどれほど尊敬しているかを、もっともっと示していくことがわたしの役割だと思う。日本人オトコはそういう表現が苦手なんだよね。ごめんね。

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