Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

アホみたいな理由で

パリに一泊したあと、わたしたちは今回の旅行の本来目的を遂げるためブリュッセルに向かった。

高速鉄道はとても混み合っており、前夜にオンライン予約したときは既に残席わずかになっていたらしい。ひとの動き、活発です。

ブリュッセルに着いたのは日曜。用事は平日でないと済ませられないので、ここでまた1泊することに。夕方までしばらく市内を散歩したが、悪魔とばったり出会う恐怖にとらわれた妻はサングラスに身を隠し、本当は大好きなブリュッセルを心の底から楽しめていない様子。車道にも注意をはらい、「〇〇色の■■■(ドイツ製高級車)」がいたらパッとそっぽを向く備えで歩いていた。

気温7℃、北風にあおられて

心の傷をグサグサえぐってくるブリュッセルなんかに何しに来たかってえと、銀行口座を閉めるためだった。ベルギーでの暮らしは、各種の支払いにクレジットカードが使えないことが多く、広く機能しているのが銀行のデビットカードみたいなやつなため、どうしても口座を開く必要があった。

この口座は、ベルギーから引っ越すとき閉鎖する必要があった。アメリカのめっちゃくちゃ厳しい税務署に不正蓄財を疑われる材料を与えないためだ(この件、民間勤めだったらそこまで気にしないかもしれないが、政府職員はしっかり襟を正しておかないとヤバイらしい)。

口座を閉じるといっても、引越し後ずいぶんたってから請求される料金(電話やネットなど)があるため、退去の時点では閉鎖できず、かといって電話やオンラインでは手続きできず、ついにわたしたちはアメリカから飛行機に乗ってやってくるしかなくなった。

こういうめんどくさい話、口座に何億円も入ってるんだったらわかるけどさ、うちなんて100ユーロちょっとしか残ってなくてさ、馬鹿馬鹿しすぎて笑っちまう。

ちょろちょろっと書類にサインして、ものの数分で終わりましたよ口座の閉鎖。ここまで生きてきて、ただの一回競馬(78年の天皇賞)で3000円スッたとき以来の無意味な出費だった。

という怒りをヨーロッパ大陸にぶつける旅をしばらくやってみようと思う。とりあえずオランダ方面に進出し、世界で最も美しい春景色のひとつを堪能してみたい。

ペニーは今日もペットシッターさんのすぐ横で丸まっている。

ペニーを乗せて走り回るクルマ旅が最高に楽しいが、そうでない旅は人間の都合だけで動くことができ、これはこれで悪くない。というか、妻とふたりだけの時間は貴重だ。明日は早いぞ!がんがん寝るぞ!

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