朝パリに着くなりブリュッセルへの移動を開始しようと思っていたら、TVG(新幹線)が軒並み売り切れになっていた。土曜だから? 一番早くて17時半の列車しかなく、ほぼ徹夜の身でスーツケースをかかえ、どこかに座り込んでやりすごすのはできねえ相談だった。
仕方がないのでパリで一泊することにして、正午すぎ、TVGが発着するパリ北駅(Gare du Nord)まで移動。その目と鼻の先にあるホテルウィスラー Hotel Whistler を予約。チェックインまで荷物を預かってもらおうと訪ねてみたら、なんと部屋の用意ができておりチェックイーーーン!
この朝フロントにいたのは、フランスによくいる口数だけは多くて自分が約束したサービスをすぐに忘れるタイプではなく、東洋系で余分なことは言わずちゃきちゃき仕事を進めるひとで助かった。
ちなみに北駅周辺は移民の多い地区にありがちな犯罪多発地域。夜はうろうろしないほうがいいアヤシイ街なんだけど、このホテルは不思議にオシャレで面白かった。
建物は、このあたりのチマチマとしたビルの一軒で、外見からして部屋が狭いことが痛いほどわかり、実際その期待が裏切られることはなかった。
せまっ。そう言いながら荷物を運び込む。こう見えても右奥のトイレ、左奥の洗面室・浴室はそれなりのスペースがとられていて、パリの街なかで庶民がこれ以上なにを望むというレベルにはあったと思う。
この狭さを逆手にとるアイデアなのかもしれないが、部屋づくりのコンセプトは列車の個室で、寝台列車のようなベッドの造りのほか各所に旅イメージが織り込まれていて面白い。
最初にアヤシイ街を強調してしまったが、このホテルの客層は存外まともで、ドイツの大学教授ふうの夫妻とか、フランスの田舎から出てきたおしゃれな老婦人ふたりづれとか、ちゃんとした仕事を持ってるふうのイギリスのお姉さんとか、外の風景とのギャップに頭がバグりそうだった。朝発ちの新幹線に備えて泊まるひとが多いんだろね。
思いのほか収穫だったのは朝食で、けっこう内容豊富。専任のスタッフが常に目配りしてくれるおかげで、品切れや乱れなく気持ちよく利用できる。いずれまた北駅周辺に宿をとるならここにしようと思った。
そんなことよりペニーさんの消息。予定どおり前回のペットシッターさんに預けてきたんだけど、再会のときこそ吠えた(相手を思い出す前に、わたしたちの会話相手を敵と思い込んで騒ぐ)ものの、すぐに落ち着きを取りもどしたもよう。
ペニーさん、お部屋に入った途端いろいろ思い出したでしょ?また仲良くやれるよね?いい子でいてくれたら1号2号とっても嬉しいなあ。
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