Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

若いっていいわよねえ

妻の母親はペニーに会うたび溜息まじりにこういう。

若いっていいわよねえ...

ペニーは人間年齢に換算すると二十代。毛並みはつやつやで、全身に西日を受けたときの美しさといったら・・・

一方で妻の実家の飼い犬は、二十数年前ヘルシンキ駐在のとき地元のブリーダーから買ったパグを除いては、歴代ずっと保護犬が続いてきた。どれも成犬になってから来た子で、どちらかといえば老後を見届けてもらうためやってきたような感じだった。

内臓疾患に苦しんだり白内障で視力を失ったりした子たちを夫婦は辛抱強く世話してきて、今いる子もずいぶん衰えてきたように見える。そういう日常のなかにペニーが出現すると、毛艶や活発さがたいそう眩しく感じられ、ついつい「若いって...」となるのだろう。

今いる子を見送ったら、今度は若い子を飼ってみたらいいのにとも思う。子犬の世話をするのも楽しいとか言ってたわけだし。だけど年齢のことを気にして「先々に責任持てないから」と及び腰。州内に子供たちがいてイヌを受け入れる態勢は整っているし、そういうときこそレスキューを頼るという手もある。

ちなみに日本では、高齢者がイヌの譲渡を希望しても、レスキューのルールがたいへん厳しく、事実上の門前払いになるケースが大半だと聞く。あなたのようなお年寄りがペットのめんどうを最後まで見られますか?というわけだ。

年齢制限だけじゃない。ひとり暮らし、結婚していないカップル(事実婚など)、外国籍、共働き、転勤の可能性あり、妊娠出産予定ありのひとはダメというレスキューが一般的らしいが、そうやって門戸を狭めることにどれほどの意味があるのだろう。

だってさ、譲渡したのが理想的なカップル(正式な夫婦で日本国籍、引越し予定なしの60歳未満、共働きじゃく妊娠出産予定なし)だとして、この時代にそんな条件が突き崩される可能性はいっっくらでもあるよね?それよりは条件の劣るひとでかまわないからどんどん譲渡することが殺処分を減らす一番の近道じゃないか。

わたしたちがお手伝いをしたアメリカのレスキューは、高齢・病気・失業などによって飼育を断念する場合、必ずレスキューに連絡するよう求めている。引き取って次の飼い主に渡すことがレスキューの仕事だからだ。

ひとつ付け加えるとすれば、アメリカでは高齢・病気・障害のある子でもかなり高い確率で譲渡先が決まる。イヌとの暮らしを楽しむだけでなく、いのちを助けたいという動機で保護犬を引き取るひとが多いからだろう。

一方でペットをめぐる価値観が異なる日本では問題のある子の「流通」が難しく、そのためレスキューが飼い主に「一生の安定」を求めがちであることは無理もない部分があると思う。

若いっていいわよねえ...

と義母さんがおっしゃるたび、以上のようなことが頭をよぎるのである。

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