Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

すごいクスリを使うってことは

有望なアルツハイマー病薬が出た!アメリカに続き日本でも承認されたら!

と小躍りするほど嬉しいのは認知症患者を支える家族の皆さんだろう。でもエーザイが米製薬会社と開発した「レカネマブ」は、日本の医療保険に過大な負担をかけ、下手をすれば制度を崩壊の淵に立たせることになるかもしれない。以下、もンのすごく乱暴な試算。

このクスリのアメリカでの売価は1年分が2万6500ドル(340万円)とされており、日本でも同じ価格になったとしよう。日本のアルツハイマー病患者は600万人を超えており、仮にその全員が新薬を使用し、保険によって100%カバーされた場合、国民健康保険の支出は20兆円にのぼる。一方で、国保の年間支出総額は23兆円。新薬ひとつで支出倍増なんてことが起きる可能性はゼロだが、素晴らしい治療法であればあるほど保険制度の重荷になりやすいことの一例。

それでもアルツハイマー患者が次々と快癒していくんだったら考えようがあるけれど、このクスリは投与開始から1年半後に症状の悪化を27%抑えられるというレベルのものであり、患者が減るわけではない。そこんとこ、よっく考えていかなくちゃならない。

アルツハイマー治療しなくていいとか言ってるわけじゃないよ。身内に何人か患者がいて、会うたび辛い思いをしてきたし、自分自身が患者だったらクスリに縋りつきたくなるだろう。だからこそ私たちが考えなくちゃならないのは、技術の進歩により医療が高度化すればするほど医療費が高騰し、このままいけば世界に冠たる日本の医療保険制度も崩壊まちがいなしってことだと思う。

実際に政府がこれを崩壊させることはない。その代わり、ユーザー負担が増えることは間違いない。成人の負担率4割超、後期高齢者も3割くらいで済むのならかなりいいと思う。すぐれた医療を享受し続けるためには、最低でもその程度の覚悟はしておきましょうねってことかな。

さーてと、俺はペニーむにゅむにゅして免疫高めっかなー。

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