Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

ドイツ警察の尋問受ける

ドイツ連邦検察は7日、政府転覆を図ったとして、25人を逮捕したと発表した。貴族の末裔(まつえい)や極右関係者、元軍人、ロシア人女性、陰謀論「Qアノン」の信奉者などで構成されるグループが、連邦議会議事堂を襲撃し、政権を奪取するつもりだったという。

というニュース。トランプに刺激されてのことだろうが、アメリカが世界に与える影響は馬鹿にならないね。それにしても、ドイツの警察は極右への取り締まりが厳しい。

捜査当局の強制捜査には約3000人の警官が動員され、130カ所が家宅捜索を受けた。ドイツ国内のほか、オーストリアとイタリアでも行われた。

ヒトラー再来の防止がドイツの国際的な義務だから熱心なのは当然で、警察は戦後一貫してネオナチの取り締まりを続けてきたわけだが、何を隠そうわたしもドイツ警察の取り調べを受けたことがある。

95年、ネオナチ活動の取材でドイツを駆け回っていたとき、どこかの村のビヤホールで行われた大規模集会を撮影したあと空港に向かってアウトバーンを走っていたら、後ろから一台のクルマが猛然と追いすがってきて横に並ぶなり窓ガラスがするすると下り、STOPサインが突き出された。覆面パトカーだった。

け、けーさつ?!スピード違反はしていなかったので面喰ったが、逃げる理由はないので路肩に停車。パトカーから降りてきた私服警官の目的は、わたしたちとネオナチとの関係のチェックだった。

日本から来た取材班だと説明したが、パスポート見せろ免許証見せろ無線で確認するから待てと丁寧なお仕事ぶりで、時速200km超のクルマがびゅんびゅん飛んでいく路肩で20分ほども過ごしただろうか、ようやく解放されたときは膝がちょっと痺れていた。クルマに跳ねられる恐怖だけでなく、ドイツで極右認定された場合どれほど面倒なことになるかについて一応理解していたから。

もうひとつ印象的だったのはネオナチ活動家のキャラクター。地域のリーダーとして新人の勧誘に励む様子を撮らせてもらったのだが、取材の申し込みから撮影まで実におだやかに対応し、こちらにいろいろと気を遣ってくれる物静かな青年だった。頭を青々と剃りあげ太い腕には入れ墨というステレオタイプとはまったく違う、薬局の優しい店員さんのような風貌。ぼそぼそとインタビューに答える彼の顔を見ながら、わたしはメディアのつく嘘について考えていた。

街頭を行進するネオナチ集団を取材するとき、カメラがとらえるのは「一番それっぽく見えるひとたち」であり、そういう映像や写真を見てわたしたちはネオナチのイメージを固めるのであるが、そんなものは全体の一部にすぎず、実際にはわたしたちの想像以上に「普通のひと」が多い。メディアのカメラは、その場その場では嘘をついていないが、トータルでは事実と違う印象を世間に広めている。

今回逮捕された「極右関係者、元軍人、ロシア人女性、陰謀論「Qアノン」の信奉者などで構成されるグループ」の面々はどんな風貌をしているのか。ほんとに悪いことをするやつは目立たない格好をしているもので、ここに入れ墨スキンヘッド系は含まれていないだろう。ああいうのはネオナチという威勢のよさに乗っかって自分を大きく見せたいだけの連中だからねー。

ペニーさんのアドベントカレンダー、本日はトナカイでした。さっそく耳や尻尾をぶちぶち引っ張って破壊工作開始。こういう可愛い顔したヤツが一番あぶないんです。

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