中国の高速列車での出来事。学生ワンさんはトレイの上でパソコンを広げて使っていたが、前席の客が不意に倒してきたシートのせいでパソコンの画面が大きく破損した。
リクライニングのせいで激しく破損って、いったいどんな勢いで倒してきたんだろうと思うが、そのあたりの事情は不明。ワンさんは前席の乗客にパソコンの修理費用を請求したが受け入れられず、裁判所に訴えることとなった。
近年はリクライニングのトラブルを避けるため、後席に声をかけてから倒すひとが増えている。ひと声かけるといっても、「倒すよ」と知らせるだけのひと、「倒してもいいですか」と許可を得る目的のひと、いろいろだろう。
わたしはリクライニングシートに座るかぎり倒して使うのはお互いさまのことという感覚なので、いちいち許可を得ようとは思わない。「倒すよ」と知らせて断られるのも困りもんだから、黙って倒す。そうですわたしはゴーマン野郎。
ただし、ひとさまに危害は加えたくないので、まず予告動作としてほんの少し倒し、そのあと3段階くらいかけて徐々に傾けていく。実際問題としては、後ろから背もたれを蹴とばされたりトレイを荒く扱われたりして睡眠をさまたげられるのが嫌で、できるかぎり最後尾の席を選んでおり、声かけの有無について悩むシーンは少ないんだけどね。
で、ワンさんの裁判がどうなったかというと、彼の主張はおおむね認められ、修理費用の70%にあたる6万円ほどが支払われることになった。中国の鉄道では座席を倒すとき後席に知らせる義務があり、それを守らなかった前席乗客がパソコン破損の主な責任を負わされたというわけ。
補償額が100%にならなかったのは、ワンさんが「前席が倒れてきたときの潜在的な結果に対して十分な注意を払っていなかったから」だというんだが、ここでお互いさま論者のわたしはハタと膝を打ち、そゆこっちゃでぇ!と叫ぶのである。
みなさま、ご旅行の際はそれぞれの方法でご注意されますよう。
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