妻の職場のオンラインコミュニティ(世界に散らばった職員と家族が参加するフェイスブックのグループ)に興味深い投稿があった。
アフリカ某国の勤務先では、ちかごろニワトリの飼育が禁止になったという。
いやオフィスで飼う飼わないじゃなくて、宿舎では禁止という話。てことはじたく飼ってるひとがいたわけで、わが家的には驚きだった。
この投稿に対しては「うちはニワトリだけじゃなくアヒルとガチョウを飼ってるぞ卵いっぱい取ってるぞたまに肉も食べてるぞ」的なコメントが相次いた。
なかにはヤギを飼ってチーズづくりを楽しむ家族もいて、たいへん楽しそう。
世界のどこでもこんなことが行われているわけではなく、途上国のうちでもおそらくアフリカくらいじゃないか。
宿舎が巨大な一軒家で広い庭があることが多く、しかも密集度の低い地域だから近所迷惑になりにくいという好条件を得やすいからだ。
実はダッカでも、90年代に赴任していた妻の両親は一軒家をあてがわれ、家畜こそ飼ってはいなかったが、広大な庭でギニーピッグを遊ばせたりしていたという(妻はそのころ東京)。
だが時代の変化は早く、2019年にわたしたちがダッカの同じ住宅街へ越して来たときは、一軒家はほとんど姿を消してマンションだらけになっており、ニワトリもへったくれもなかった。
このたび某国でニワトリ禁止になった理由は明らかにされていないが、どうやらコロナと関係あるらしい。
去年は職員の多くがコロナ退避でアメリカに戻った。それがどれほど長引くかは誰にもわからず、あるニワトリの飼い主はとりあえず誰かに預けて任地を去ったのだが、退避が長引くにつれ何らかのトラブルになったのではないか。
この禁止措置が他国にも広がったらどうしようと心配するひとが多かったようだが、幸いなことに世界的なムーヴメントにはならなかったもよう。
この成り行きをわたしたちは興味深く注視したのは、ニワトリ飼ったりヤギの乳絞ったりのDASH村生活を夢見ているからだ。
えっ、じゃあアフリカ行きたいの?!
ううーん、これまでは希望する任地にアフリカを含めていなかった。第一には妻の専門性を生かしにくい地域というのがあり、第二が劣悪な生活条件。若い時ころならいざ知らず、この歳では辛かろうと思ったから。
あと、休暇で先進国へ行こうとしても直行便が乏しく、往復だけで4日がかりになるようなところが少なくないなんてのも。
ところが夢のDASH村暮らしの可能性を感じてしまった今、これからどうして行こうかねぇ、アフリカにも手を挙げてみよっか的な話題が出るようになった。
わたしたちにとっての理想の人生は、どこかの田舎で養蜂業をいとなみ、かたわら翻訳や著述なんかしながら静かに暮らすこと。
その準備・訓練に現在の転勤生活が役立つのであれば、こんな嬉しいことはない。
だが、ペニーはどうなるのか。
というのは、彼女はアメリカで日々たくましさに磨きをかけ、野生動物みたいになっているから。
こうなると家畜禁止どころか、どこの国でも飼えないことになっちゃうよ?
ペニーはおしとやかなお嬢になる気はあるの?
この子と会える日がだんだん近づいてきた。
最近あずかり主のCさんから聞いたところでは、彼はそのうちワシントンDCへ戻って来る予定(本人は戻りたくないが業務上しかたなく)だといい、このぶんでいけばバーモントまでペニーを迎えに行かなくても済みそう。
ロングドライブ、別に嫌じゃないんだけどね。
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