田舎のことではあるけれど、よくこんなんで仕事がまわってるなーと驚いた。
実家の土蔵の工事は、1階の床板をすべてめくってシロアリ駆除と防湿処理をするもので、わりと単純な工程だと思っていたのだが、実際にはそうはならなかった。
エピソード1 材料が足らねえ!
最初のつまづきは、床板をすべてめくったところで発生。
地面に敷き詰める調湿材がぜんぜん足りないというのだ。
どうやら工事の監督さん → 業者の窓口 → 現場に来る職人さんへの情報伝達の途中で、作業する面積が半分になってしまい、持ってきた調湿材ではまったく間に合わないという。
しかたがないのであるだけを敷き詰めてもらい、残り半分は翌日ということに。ただし、調湿材が終わらないと新しい床が作れないため、大工さんが動けず、工事全体が一日遅れになった。
まる一日お預けをくらった大工さんが、がんばって床を作ってくれた。大引きという太い材を入れたあと・・・
その上に根太を並べていく。
おー、床っぽくなってきたねえ。
地面に置かれる束石(つかいし)は、以前はただの石ころだったやつが、今回はコンクリートブロックになり、たいへん頼もしく見える。
こうして組み上げられた材木に防蟻処理をほどこし、あとは床板を張るだけというところへ来て、ふたつめの落とし穴が口を開けた。
エピソード2 材料が違う!
届いた床材を大工さんが土蔵に運び込み、施工を開始しようとしたところ、材のカットが正しくできていないことが判明!
やり直した床材が届くまで、またしても作業は1日遅れに。
この不始末の被害をいちばん受けたのは大工さんで、かれは3日で終わらせる予定だったこの工事に5日付き合わされることになった。
たいへん気の毒なことだが、こっちの責任ではなく、どうして差し上げようもない。
興味深かったのは、自分には落ち度のない大工さんが腹を立てる様子がなかったこと。
よほどの人格者なのだろうか。
それとも、この町はお互いにこんな感じでまわっているのだろうか。
生まれ育った土地ながら、社会人をしたことがないので「実像」について知ることが少ない。
面白い経験になった。
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