結論からいうと、無事に日本入国できた。
それはよかったんだが、今回の旅路は、いたるところに哀愁がただよっていた。
まずワシントンDCのダレス国際空港。
ご当地グッズがあふれていたショップはもぬけの殻で、通路を行き交う人はまばらどころの騒ぎじゃない過疎ぶり。
いったい何人が職を失ったのかと溜息をつきながらNH101便羽田行きに搭乗した。
わたしたちは今回、安全確保のため手持ちのマイレージの大半をはたいてビジネスクラスを利用したのだが、48席のうち埋まっていたのはわずか数席で、ソーシャルディスタンスという意味では申し分なかった。
というか、全215席のこのボーイング787の乗客は、合計20人くらいだったと思う。まったく商売にならないフライトだ。
飛ばせば飛ばすほど赤字が増える会社。
給料を減らされ、リストラの恐怖におびえながら身をコロナのリスクにさらすCAさんたち。
申し訳ない気持ちになってしまった。
全日空機に乗ったのは2年ぶりで、そのあいだに変わっていたものがあった。
安全ビデオが思い切りジャパニーズになってるのな。けっこう笑えたで。
世界的にはビジネスクラスだからといって食事がいいとは限らないが、やっぱり日本の航空会社はいいね。
こんなにチマチマして美しい料理を愛でながら、ANAオススメの吟醸酒「雁木」というたいへんよろしいやつを楽しんでしまった。普段ほとんど飲まないのに、こういうとき貧乏人根性出てしまうのな。
以前のDC-東京間のフライトでは食事が2回あったのが、今回は出発直後に昼食が出たあとは、希望者のみに提供となっていた(少なくともビジネスクラスでは)。
コストダウンが目的と思われるが、コロナ以前からこうだったのか、最近のことなのか。CAさんに尋ねてみたかったが、なんか気の毒な感じがして黙っていた。
お好みメニューは、ANA特製カレーなどそそられるものが多かったが、今回は一風堂ラーメンと11月限定の焼きおにぎりを頂戴した。
普段ビジネスクラスに乗ってるひとたち、うらやましいなあ。
今回ビジネスクラスにしたのは、ソーシャルディスタンスだけでなく、よく眠れることが理由だった。
出発までにいろいろあって体力を使い果たし気味だったこと。日本に着いたらレンタカーの長距離移動が待っていて、そこで自爆することだけは避けたかった。
フルフラットにした座席でペニーの夢を見てから目覚めたら、天井が七色になっていた。
そろそろ着陸態勢に入るよというサインか。日本に着いてから調べたら、ボーイング787ドリームライナーご自慢の照明装置らしい。
だがこれを見たときの私は、ほろほろとした切なさを感じてしまった。
悲しいドリームライナー、なんていったら一所懸命に働いているひとたちに申し訳ないが、本来が華やかな存在なだけに... ってことあるよね。
早く普通の時間がもどってきたらいいね。
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