羽田空港に着いた過疎なドリームライナーから降りたら、コロナ検査場へと誘導され、唾液を採取され(やるのは自分)、検査結果が出るまでを専用の待合室で過ごすことになった。
午後3時の待合室はこんな感じだった。
わたしたちを入れて10人ほどもいただろうか。
驚かされたのはスタッフの行動だった。
検査結果がまとめて送られてくるまで待合い室に配置されたスタッフはすることがなさそうで、数人が雑談しているのだが、小さなテーブルを囲んで歓談するかれらの距離はいずれも数十センチで、ソーシャルディスタンスどころではない。
この人たちは若い女性ばかりで、厚生労働省検疫所の役人という感じではなく、いわゆる外部スタッフだったのかもしれない。
それにしても...
とわたしたちは顔を見合わせたのだが、こういうのが今の日本の雰囲気なのだろうか。
という件は事前におおよその想像がついていたので、さしたる驚きでなかった。
びっくりしたのは検査にかかる時間だった。
事前に調べたところでは、早くて1時間半、ときには3時間以上もありとのことで、それなりの覚悟していたのだが、唾液を提出してからわずか50分で結果を知らされた。
過疎な時間帯の恵みだったのだろう。
陰性のハンコをついてもらって放免されても、自由な行動は許されない。
どこへ行くにせよ電車・バス・航空機など公共交通機関の利用は許されず、コロナ対応のハイヤーサービスなどに頼ることになる。
料金は、23区内までなら1万数千円。なかには関西や東北など遠隔地まで乗るひとがいて、30万円も40万円も払うのだという。
実に豪儀なものだが、羽田に遅く着いてすぐに出発すると夜中の走行になるため、空港ちかくでまず一泊という人もいる。
わたしたちも空港近辺のホテルを予約しており、そこまでの交通手段が面白かった。
検疫所が運行する無料の周回バスってのがあるんだよ。
この日はすべてが過疎だったせいか、午後4時半発のバスに乗ったのは4人。
結果的に過剰なソーシャルディスタンスと相成り、むしろ落ち着かない気分になるほど。
バスはホテルの多いエリアをまわっていくのだが、案内を見るかぎり停車場所は「〇〇駅周辺」などとなっており、ホテル前で降ろしてくれなさそうな雰囲気。
わたしたちは穴守稲荷駅周辺で降ろされ、ホテルまでの200メートルほどをスーツケース4個引きずっていく覚悟をしていたのだが・・・
降ろされたのはホテルの真ん前。
普段からそうなのか、過疎ってたからこういうサービスをしてくれたのかわからないが、ほんとに助かったよー。
翌朝、コロナ対策ばりばりのハイヤーが迎えにきてくれた。
それはVIP送迎に使われる高級ミニバンで、乗り心地なかなかよろしく、地杉並区内のレンタカー屋まで45分の移動を楽しめた。
税込み14,850円をクレジットカードで払ってさようなら。
この運転手さん、1時間後に次の客を羽田空港で迎える前に車内の消毒を済ませるのだといって忙しそうに去っていった。
たいへんな仕事だけど、働けるっていいよね。
コロナとたたかう社会に多少なりとも貢献できたような、不思議な気分でありました。
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