ダッカからの退避生活が半年を越えた。
ここへ来たときはまだ肌寒かったのが、いつのまにかTシャツ一枚になり、ここ2週間ほどは上着が欲しい日が多い。
わたしにとって秋は冬と同じくらい好ましい季節だが、今年は生活のすべてにわたって現実感が乏しいようなところがあり、秋が来たといわれても「えーっとそうですか・・・」という感じ。
ところがコロナ禍という認識のないペニーは、妙に興奮していてシアワセそう。
理由は地面に落ちているどんぐりの実だ。
見つけるたび飛びつくのを止めるのが大変。それでもたまにガブリと食いつき、多少は飲み込んでいる様子。
どんぐりそのものに毒性はないらしいが、何がついているわからないし、硬い殻の破片が消化器官を傷つける可能性もあるから、できるだけ避けている。
ペニーほど満喫できてはおらずとも、北米の秋はこれからどんどん深まっていく。
このまま冬を迎えちゃうの・・・?
焦りに身をコガすわたしたちだが、どうやらそうではない流れになりそうだ。
冬までにコロナが収束して任地へ戻っても安全というんだったら朗報だが、事実はそうではなく、役所に金がなくなったからさっさと任地に戻してしまえという感じらしい。
全世界に展開した職員と家族の半数あまりを本国に退避させたときの旅費・滞在費は、前例のない額におよんでいる。
役所の予算はこんな事態を想定しておらず、特別会計みたいなものを充ててもスッカラカンが目前らしい。
ない袖は振れぬというのはクレオパトラのセリフだったか聖徳太子の名言だったか忘れたが、アメリカ政府もかなり追い詰められている感じ。
従来は「コレコレのフェーズになったら戻ってもよし」という判断基準だったのが、このたびハードルががくりと下がるもよう。
また、近々わたしたちの家賃(月額数千ドル)の半分が自己負担になるという話もあり、これはもう追い出しにかかってますね。
それはまあお金でカタがつく問題として、命のほうはどうなるんだろと。
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