ペニーとの散歩中、ハッとする光景があった。
手をつなぐ夫婦。
アメリカでは若者だけでなく、高齢カップルでも手をつなぐことが多いが、今いるあたりは年齢層が若年にかたよっているせいで、こういう姿を見ることが滅多にない。
日米カップルのわが家はどうなのかといえば、東京にいるときからおててつないで歩いてました。
日本人オトコはそういうのに照れがちだと思うが、わたしは他人の目をそれほど気にしないたちなので、目黒や渋谷の街を手つなぎで闊歩していた。
それではなぜ今回ハッとしたのかというと、最近あんまり手つなぎしていないから。
えっ、夫婦のコロナ危機?!
いえいえ、うちは安定的に仲いいです。
ダッカからの退避以来4ヶ月半、こんなに長い間ぴったりくっついて暮らすことは初めてで、毎日楽しくてしょうがなく、たまのアホみたいな喧嘩は別として、ごきげんさんでやらしていただいてます。
そんな仲良し夫婦(笑)が手つなぎしをしなくなったのは、外出がほとんどなくなったから。
ペニーの散歩をふたりですることはあるが、引き綱落とし物袋おやつなどで手がふさがっているうえ、ペニーの急な動きに振り回されるから、手をつないでもすぐに放してしまう。
わが家の「手つなぎの危機」は、実は1年半前、ダッカに赴任したときから始まっていた。
治安が悪く、市内の移動が基本的にクルマに限られるせいで、街歩きはほぼ不可能。ショッピングモールを歩くときくらいしか手つなぎのチャンスがない。
ただ、イスラム教国では公然と異性にタッチすることは夫婦であってもタブーで、現地文化をリスペクトするなら手つなぎはできない。
このためわたしたちは、半分冗談、半分まじめに「室内手つなぎ」をするようになった。
ダッカであてがわれた住居が比較的広いこともあり、それじゃ台所までいこか~などと言いながら手に手を取ってゆっくり移動。こんなアホな振る舞いを、ごくたまにではあるがしていた。
室内手つなぎはアメリカへ退避してからもたまにやっていたが、いつしかやらなくなったのは、ペニーが来たからだろう。
家のなかのことがペニーを軸にまわることが多くなり、夫婦ふたりっきりの時とはいろんなことが変わった。
変化のほとんどは歓迎すべきものだが、室内手つなぎに意識が行かなくなってしまったことが弊害といえば弊害。
ただし、手つなぎによって得られていた安らぎをペニーが供給してくれる部分もあるから、とりあえず経済学的にはイーブンかも。
バージニアは本日も晴天なり。
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。