おととい、福岡市の小学校のプレハブ校舎の天井パネルが落下し、5年生の児童の頭に当たった。パネルは長さ1メートル75センチ、重さ約5キロだが、ウレタン製で柔らかいから、当たっても大事にはなりにくいだろう。
じっさい被害にあった児童に怪我はなく、精密検査でも異常はなかったとNHKは伝えているのだが、拙者の目は「精密検査」の4文字に釘付けになった。
それがしが育った昭和の日本では、血も流していない子供を精密検査にかけるという発想はなかったと思う。いや断じてなかった(と力むほどのこっちゃないが)。
保護者に報告くらいは行くかもしれないが、本人が痛がっておらず出血もなければ「まあそういうことで」となって終わっていたものだと思う。
拙者など高校時代にダナ、体育の時間に鉄棒で大車輪をキメたっと思った瞬間、鉄棒を握ったまま5メートル吹っ飛んで床に叩きつけられた。鉄棒をポールに留めるネジが老朽化のため折れてしまったからだが、原因はどうあれ、そのときの体育教師(わたしの大っ嫌いなへらへら野郎)はへらへら笑ってるだけで、手助けにも来てくれなかった。
結果わたしは右手首を骨折していたのだが、学校から親からも「病院へ行ってレントゲン」という言葉は出ず、わたし自身も痛いのはしょうがないと思い、膏薬を貼るぐらいでガマンしていたってのは江戸時代みたいですごい話だが、昭和の日本なんてまあこんなもんだった。
だが令和の御代は、あらゆる事象の責任を厳しく追及する時代だから、ウレタンボードがぽこん・・・で精密検査になる。それほどまでに人間が大切にされていることをわたしたちは寿(ことほ)ぐべきではあるが、まあなんつーか微妙なところでもあるな。
そうそう、精密検査を受けず必要な治療も受けなかったわたしの右手首は、90度まで反らすことができなくなり、それいらい逆立ちのできないひとになってしまった。
逆立ちに心残りはないけどね。
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