Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

それはズルいよヨーロッパ

ロシアが嘘つきだという話を書こうかと思ったんだが、その前にヨーロッパ人もたいがいやなあな件について。

まず下記のツイートは1月28日のアメリカ国務省。

 

これによればアメリカは世界110の国と地域にコロナワクチン4億回分無償供与を済ませている。

大国としての責任をちゃんと果たしてるんやな・・・

と褒めようかと思ったら、欧州委員会フォン・デア・ライエン委員長というEUの大統領みたいなひとが「世界に最も貢献しているのはEUでーす!」というツイートをしていた(12月16日)。

 

 

"The EU is the largest donor and exporter of vaccines in the world."

「EUは世界最大のワクチン寄付&輸出者です」

確かに棒グラフの高さは一番だが、青色で示された輸出分が大半を占めており、EUがコロナでしっかり儲けていることがわかる。

だが、多くのひとの目に残りやすいのは "largest donor" という文言と長い棒グラフであり、このツイートは「EUが圧倒的な貢献者」というイメージづくりに成功していると思う。

しっかり儲けたうえで名声まで手にしようという作戦、実に巧妙だ。

ヨーロッパは普段から「自分たちは人道的」アピールをする傾向が強いと思う。アメリカが実務で手を汚すのを横目で見ながらサラリと綺麗ごとを言いたがるフランスを筆頭に、ご都合主義な言動が多い。

一方でアメリカは妙にPR下手なところがあり、もうちょっとしっかりアピールすればいいのにと、わたしですら思うことが多い。

もしかして今回の「4億回分」ツイートは、そのあたりについての小さな目覚めがあったからかもしれない。

なおこのツイートでアメリカは、無償供与ワクチンの総数を12億回分予定しているといっているが、それだけ頑張っても世界人口78億のうちほんの数パーセントをカバーするだけ。

この厳しい現状を打破するためには、途上国でのワクチン生産を急ぐ以外に方法はないのだが、そのためには欧米の製薬会社が保持する特許を開放し、安価に製造できるようにする必要がある。

それさえ行われれば、たとえばバングラデシュにしても即座にワクチンの大量生産にとりかかることができるという。

ところがその道筋を思い切り邪魔しているのがヨーロッパなのである。

以下は、ヒューマンライツウォッチの欧州地域の広報を担当するストレーライン氏による怒りのツイート。

「ジョンソン(英首相)とフォン・デア・ライエン(欧州委員会委員長)は製薬会社の独占的な利益を押し上げ、パンデミックを長引かせるため、ワクチンの広汎な製造を阻止している。より多くの死。より多くの苦しみ。こうしている間に新たな変異株が出現する」

ストレーライン氏は、ワクチンの主要生産地であるEUとイギリスが特許の解放を拒み続ける利己的な政策を激しく非難している。

なお、コロナワクチンの特許放棄は去年からアメリカが主張し続けているものの、EU・イギリスが頑として応じず、暗礁に乗り上げている。これからどうなるのだろう。

ちなみにジョンソン首相はコロナ禍の真っ最中に繰り返しパーティーに出て、バレたら開き直るばかりの態度を見るまでもなく筋金入りのお粗末人間だが、フォン・デア・ライエン委員長は医師である。ワクチン特許の抱え込み政策についてどう思っているのか、いちどマスコミのいないところでじっくり尋ねてみたいものだ。

ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。

にほんブログ村 海外生活ブログ ベルギー情報へ