あんなにツライ思いをしてまで飛んで来たのは、身を守るためであった。
この国では移民に強い逆風が吹いており、みどり色のお札を保持する永住者であっても、あるとき突然追い出される事件が頻発している。
みどりの札は万能ではない。一年以上にわたって国外に滞在すると効力を失ってしまう。おまえこの国での生活実態がないんだったら外国人にもどれということ。
わたしはモロにこれに該当するが、配偶者が政府の仕事で海外にいる場合は1年以上帰ってこなくてもOK。
だったのですよ、以前はね。
でも今は事情が一変して、入国の際どんな難癖をつけられて国外退去になるかわからなくなっちゃった。前回の帰国から11か月が経ち、わたしのみどり札が危険水域に入ってきたところで乗客虐待(笑)に泣かされながら帰ってきて、入国のほうはなんとか無事に果たすことができた。
今回の旅は、身体だけじゃなく家計にとっても痛かった。妻は本省への出張だったので旅費は政府持ちだが、わたしのぶんは自腹。行政がルール通りに執行されていたころは、こんなアホみたいな出費は不要だった。
しかも中東情勢がおかしなことになったせいで西回りの安い航空券が手に入らず、東回りの高いチケットを買うしかなかった。こんな馬鹿馬鹿しい話がどこにあるのか。
救いはある。

ペニーの元気な様子が毎日届く。
持参のオモチャを投げてもらうと、一日中でも追いかけまわす子。

1号は無事入国できたんだから、ひとりでラオスへ帰ればいい?
そうできたらねー。
でも、出国のときにも一定のリスクがあるらしく、まさかの場合にキッチリ対応できる妻と一緒に出国しなければならんちゅうことで、月末までこっちにいます。
日本との時差13時間あるせいで、滞在中のゲストから質問などが飛んでくるのが夜中になり、なかなか安眠できましぇん。
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