きのう妻がオフィスAからオフィスBに移動する際、アプリでタクシーを呼んだ。
問題がふたつあった。
車体はほぼ新車と思われる中華EVで、新車特有のにおいが漂っていたのだが、それと同時に生魚臭も濃厚だった。
原因について考えだすとキモチワルくなるのでやめておこう。わたしだったら盛大に窓を開け、エアコンをあきらめてでも悪臭から逃れようとするところだが、奥ゆかしい妻は我慢したらしい。有料の拷問。
ふたつめは、そのクルマがなかなか迎えに来なかったこと。アプリには「お迎えまで1分」と表示され、じっさい地図上でもすぐ近くにいたのだが、なぜかタクシーは逆方向に向かって動き出し、どんどん遠ざかって行った。
挙句の果てに脇の細道に入り込み、のろのろと進みだす。「三角形の他の二辺」を選んだドライバー。アプリの表示は「8分」に変わった。
ようやく乗れたと思ったら、壮年のドライバー氏、なかなか発進しない。アプリの地図通りに行ってくれれば済む話だが、なぜかド氏、独特のこだわりをお持ちのようで、「こっちの道で行ってもイイカ?」とつたない英語で尋ねてくる。
「どっちがいいかは私にはわからない。とにかくすぐに発車してください(急いでるんだから!!)」
それでもド氏のルート選択の悩みはしばらく続き、ようやく走り出したと思ったら、また「あっちの道でもいいか?」とアプリとは別のルートを提案してくる。「どうぞそうしてください」としか妻は返しようがない。
このド氏は、すべての行動が平均的な人間とは違っているようで、発車して15分ほどたったところで急に振り返り、シートベルトをしてください!と詰めてくる。妻は乗った瞬間に締めていたベルトを「ほらね・・・」と指さすしかなかった。
新車のEVを買い、少しばかりの英語を話すド氏は、ラオスでは上流階級に属しているのにちがいない。ふだんどんな暮らしをしているのかと、妻はひそかに首をひねるばかりであった。
ラオスの路上ではユニークな現象をたくさん目にする。わけても特徴的なのは信号。
ふつう信号が青になれば、自分と対向車線がそれぞれ発車するわけだが、ラオスは違う。青信号で進めるのは1方向のみ。
北行きのクルマが青で通過したあと、東行きの車線が青になり、続いて南行きが青になり、最後に西行きが青になる。渡る順番が時計回りでめぐってくるのを、みんなでじっと待つ。
だからラオスでは青信号までかかる時間が他国の2~4倍。そのうえ運転が異様にゆっくりなドライバーが多く、5台も発車したらもう赤信号なんてことが珍しくない。信号のある交差点はいつも渋滞。外国人の目にはまったく合理的に見えない交通ルール。
最近、よく通る交差点の信号が黄色の点滅になった。そこはT字路で、交通量からして信号は必要なく思われ、渋滞につかまるたびストレスを感じていたのが、今はウソのように流れがよくなった。

長期にわたる故障かもしれないが、ともかくありがたい。
ろくでもないことばかり起きる2025年の、小さな小さな朗報。
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