床に並べられたスーツケースの間を縫うようにしてわたしたちがバタバタと旅の準備を始めると、ペニーは落ち着かなくなる。

スーツケースを使うような旅は外国への旅と相場が決まっていて、「あたしは置いてかれる・・・」とわかるんだろうな。
痛む心にムチ打ちながら、ペニーを預かってくれるMさん宅へと向かう。

すぐ近くまで来たら場所がわかったようで、ペニーはきゅうきゅういって興奮。前回の楽しかった滞在を思い出したのだろう。
M家で預かってもらうのは2度目。メイバン(家政婦)さんにも可愛がってもらって過ごすことができた。だが今回は、家の事情がちょっと違う。世界で経済 援助・開発援助・人道援助をになってきたUS◯◯Dのベテラン職員Mさんは、このたびの大変革によって職を失うことが確定した。
大半の職員がラオスを去るなか、Mさんは残務処理のため現地にとどまり、主にラオス人スタッフの再就職のために奔走しているが、忙しすぎて自分の職探しはまったくできていない。
生活の不安が増すなか、家族内で衝突があったりしてM家はいま大変つらい時を過ごしているというのに、ペニーの預かりを快諾してくれた。
こちらも物見遊山に出かけるわけではなく、定期的にアメリカで1か月以上滞在してくる義務を負っていて、いわばこれは業務。
飛行機代は役所が出してくれるが、現地の滞在費(ホテル代・レンタカー代などで100万円近くかかる)は自前。そのうえペットを連れて行くにはコレマタ100万円近くかかるものだから、いろいろ悩んだ末にペニーの同伴を断念した。
そんなわけだから助け合いの精神というか、優しい心でペニーを預かっていただけることになった。Mさん一家が難しいとき(これから恐ろしいほど教育費がかかっていく)を迎えていても、足元にワンコがいたら少しはなごみになるのでは・・・などと言い訳しながらご厚意に甘えることにした。

わたしたちの不在は6週間。そのあいだずっと預かっていただけるのが理想だが、M家はいよいよ3週間後にビエンチャンを離れる。アメリカへ帰ってから必死の職探しが始まるのだろうが、先に解雇された仲間がどっと労働市場に出回っているぶん、Mさんの行く先には厳しいものもあるだろう。そういった面ではなかなかお役に立つことができない自分たちの小ささを悔やみつつ、ペニー、ペニーといって歓迎してくれる一家に別れを告げてきた。
まずはバンコクで一泊。妻はここにいる仲間と情報交換。キビシイ話しかころがっていない。
それから羽田まで飛んでまた一泊。今日はいよいよワシントンDCへ。機上、少しは眠って心身の疲れを癒してほしい。
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