今日はミャンマーをM7.7の地震が襲ったが、隣国ラオスのビエンチャンは被害がなかった。それだというのにずっと遠くにあるバンコクでは地面が大揺れし、建設中のビルが倒壊する騒ぎになり、自然現象の不思議さを思い知らされた。
21
わたしたちはKちゃん+父親とともにビエンチャンから北に2時間ほど走り、森林リゾートで過ごしてきた。といえばかっこよく響くが、かれらのラオス滞在5日間は他にルアンプラバン行きも含まれており、森で「静かな時間が流れる」的な余裕はなかった。
だがビヨンビヨン揺れる吊り橋を渡って森に点在するコテージを訪ねるのは、それ自体がちょっとしたアトラクション。楽しかった。
惜しむらくは、コテージのガラス窓いっぱいに楽しめるはずの密林と渓流が、乾季の終わりの今は水流が完全に途絶え、土砂崩れの跡のように見えたこと。
このリゾートについてはわたしたち的には情報が少なく、とりあえず来てみたわけだが、泊まるなら雨季に限るということがわかった。
広大な森林リゾートに隣接してラオス野生動物保護基金という施設があり、いろんな動物の姿を見ることができた。
メコン川に多く生息してきたワニは急速に数を減らしており、手厚い保護が必要。ここでは着実に繁殖が行われており、何週間も絶食して卵を守るメスの姿をおがむことができる(ちょうど今が産卵期)。
この団体の使命は、違法に取り引きされる野生動物を救い出し、自然に還してやること。
違法な取引現場に踏み込むといった権限を持たない代わり、そういうところから逃げ出した動物の情報が民間から寄せられ、保護に向かうことが多いという。
子ザルの兄弟は、しっかり抱き合って過ごす時間が長い。子ザルかわいいね~といって買われた(もちろん違法取引)が、成長するにつれて扱いづらくなり、遺棄されたという。
野生に戻されて生きていける能力のある動物は、時間をかけて自然に戻していくが、そうはできない子たちは、一生をこの施設で過ごすことになる。
体重200kgはあろうかという堂々たる熊も、飼育状態から突然自然に還しても生き延びる確率は低い。飼育の一定期間が過ぎたところで「扉の空いた檻」に入れて森に出し、自力で食物を確保できるようになるまで給餌を続け、野生のノウハウが身についたところで自発的に檻から出ていくのを待つという。実に気長な仕事だ。
ご想像のとおりこの施設は、外国からの寄付によって運営されている。それに加えて動物ごとの区画(熊の森、鹿の森など)を歩くツアーの体験によっても収入を得ている。
獣医師をのぞくスタッフの大半は世界から集まったボランティア。けっこうスゴイ山道を毎日2~3周して動物たちの観察や世話をしているというが、よほどの動物愛と体力がなければ務まらないだろう。ガチで偉いひとたちだと思った。
ちなみにわたしたちは想像以上の量の汗をかきながら歩き、休憩を入れながらどうにか下界へ戻ってきた。妻は脱水による熱中症の初期症状が出て、けっこう危なかった。このツアーの参加に超人的な体力は必要ないが、こんなに飲めねえよってほどの水を用意し、ツアー中は疲れたなと思ったらすぐにガイドさんに休憩を要求しよう。そういうのは珍しくないので、たくさん休ませてくれます。動物だけじゃなく人間にもやさしいラオス野生動物保護基金なのであります。
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。