ひさびさに日本式床屋へ行ったら、先客の散髪が始まるところだった。1歳ぐらいの坊やが母親に抱かれたまま切ってもらおうとしていた。
バリカンのスイッチが入った瞬間、わたしの鼓膜を突き破り店のガラスドアすら破壊する勢いでぎゃん泣き開始ぃ!
首をぶるんぶるん振って抵抗するから、日本式散髪師もなかなか作業にならない。お母さんと協力しながら「えっとじゃあ、こっちに向かせてもらって・・・」とかやっているが、ぎゃん泣きぶるんぶるんにかなう大人なんてこの世にいない。
じきにわたしは気付いた。この子はバリカンの音に怯えているのであって、バリカンさえ止めればすぐに泣きやみ、わたしに目を合わせてくる余裕すらある。
だからバリカンをやめてハサミにすれば? と思いはしたが、
1)わたしはラオス語がしゃべれない
2)兄ちゃんは英語がわからない
3)もっとも重要なことは、赤ん坊の髪をハサミで切るスキルがあるかどうか不明
というわけでわたしは沈黙を守り、ぎゃん泣き劇場はしばらく続いた。
数分後、母親があきらめて「これくらいでええですわ」的なやりとりがあり、散髪は中止。おっかさんは店を去りながら兄ちゃんにお札を渡そうとするが、「いえいえいえ、ちゃんとできなかったのにお代を受け取るわけには」的なやりとりの末、母子は支払いをすることなく去り、その後ろ姿を兄ちゃんは頭ぽりぽりしながら見送っていた。
わたしの散髪がどうなったかというと、3回目なんだから少しは要領を得て切ってくれないかなーな願い空しく、過去最高に東南アジアなスタイルになった。
もうね、そのくらいでいちいち落ち込む若さもないからいーんだけど、早く1センチくらい伸びねえかなあ。
人間ってタイヘンなのね~
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