これは旅行者の皆さんではなく、あくまで民泊・簡易宿所(とくに無人チェックイン物件)経営者向けの情報。
以前に人数を偽って安く泊まろうとしただけでなく、宿泊者情報を提示せず、タブレットでのチェックイン・アウト手続きもすべて無視してどこの誰だかまったくわからない状態で去られた詐欺案件について書いた。
結果どうなったかというと、氏名は特定不能、正しい宿泊料は踏み倒されたまま終わってしまった。その原因はひとえに予約サイトの非協力的な態度にあった。
わたしが契約していた Vacation STAY(今月名称を Rakuten Oyado に変更)は、すでに書いたように旅先でのトラブルはすべて宿泊施設と宿泊者の問題であり、予約サイトはいっさい関与しないというお気楽な商売をなさっておられ、そのためこちらは何度か痛い目に遭わされてきた。
そのひとつである上記の詐欺案件は Rakuten Oyado の向うにいる別の予約サイトから入ってきたものだった。Rakuten Oyado は、いろんな予約サイトと提携しており、
- Asia Yo
- Booking.com
- Vrbo(HomeAway, Expedia含む)
- 楽天トラベル
- Trip.com
- Agoda
からの予約が Rakuten Oyado 経由で入ってくる。そして最後の Agoda こそが、経営者目線では最悪の予約サイトだった。
Agoda は他の予約サイトとちがって、ゲストの居住国と連絡先(メルアドや電話番号)をこちらに提供してくれない。だからトラブルが起きてもゲストに連絡する手段がない。Agoda に連絡先を要求しても「個人情報ですから」のひとことで終わり。他の予約サイトが居住国・連絡先を提供してくれるなか、Agoda の不親切ぶりはぴかいち。
そのうえ、名前が特定できないという問題もあった。今回 Agoda から渡されていた詐欺犯の氏名はアルファベット(例えばChang Chinghsiang)で、世界のどこかに住んでいる中華系であることは想像できるものの、どうにもならない。例えば「張慶祥」といった漢字がわかっていれば、本人と家族の顔は動画にしっかり残っているから、SNSで特定できる可能性もあるわけだ。
そういうわけで、Rakuten Oyado と契約しようと思っている経営者の皆さん、最初に「Agoda は外してください」とリクエストするのを忘れずに。運用開始後に外すことはできるが、すでに入ってしまっている予約は動かせず、今回のわたしのような詐欺被害にあうリスクは否定できない。
冒頭に書いたように、わたしが宿賃を踏み倒されたのは無人チェックインという弱点を突かれたものであり、有人対応しておられる民泊さんはさほど気にする必要はないかも。
また、Rakuten Oyado 経由ではなく、Agoda と直接契約すれば、ゲストの居住国・連絡先情報を渡してくれるらしい。そうはいっても、これらの予約サイトのビジネスはすべからく「現地トラブル」だから知らねえ方式であることをお忘れなきよう。
すでに書いたように、わたしは Airbnb でしか部屋を売っていない。手数料15%以上するが、手厚いサポートに守られストレスを溜めずに済む Airbnb で頑張るほうがよほど建設的だと思う。Airbnb と相性のいい宿とそうでない宿があることは事実だが、だからといって複数の予約サイトに手を出して苦労するよりは、Airbnb で売りやすい宿に設定変更していくほうが発想としては合理的じゃないか。
すでにお気づきのように、旅行者目線からの Agoda については何も書いていない。その点で商売の邪魔をするつもりはないからね。
今週末はタイへ行くという説が急速浮上。大戸屋やらドンキやらへ行く時間あるかなあ。
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