Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

心底びびった

お湯が出ないとゲストから連絡があったのは日本時間20時過ぎ。

脳内非常ベルが大音量で響きわたる。

念のため1~2分流しっぱなしにしてとお願いしたが、やっぱり水しか出ない。

民泊管理会社に連絡して、10分ちょっとで駆けつけてもらった。居間にある操作パネルで湯温を確認してもらうと、ほんらい 60℃ であるにもかかわらず「水」と表示さていた。

すぐに「お湯増し」ボタンを押してもらった。だがこれはタンクの湯が不足しそうになったときの補完手段であり、水しか入っていないところから沸かしても、マッチ棒で風呂を焚くようなスピードになってしまう。

シャワーなしの宿泊を強いることになるのは明らかだった。

平謝りして、今夜の宿泊料を全額返金することを伝える。「それは有難い。残念だけどこういう故障はいつでもどこでも起きるからね」とめちゃくちゃ優しい言葉をかけていただく。

だがこれで一件落着とはならない。

明朝このゲストがチェックアウトすると、午後には次のゲストが入る。それまでにお湯ができるようになっていなければ、お泊めするわけにはいかない。

一泊くらいなら事情を説明すればわかってくれる?

いやいや次のゲストは3泊だから、お湯無しはありえない。

そうすると現実的なのは、こちらで別の宿を確保して移っていただくこと。すぐに市内のホテルを当たってみたところ、部屋はある。

だが、バカにならない問題があった。

明日のゲストは3人。家族ではないらしく、それぞれ別の寝室を希望しておられる(うちは3室ある)。

西欧の方々だから、プライバシー感覚は我々より強いはず。そういうひとたちに向かって「ホテルはとるけど1部屋か2部屋でガマンして」とはいいにくい。だからといって3部屋3泊は20万円を超える。

そのうち何割かをゲストに負担してもらう方法はあるが、こういうシチュエーションで条件闘争みたいなやり方は賢くない・・・

悪いときには悪いことが重なるもので、上記のゲストのチェックアウト後、すぐにチェックインするのが3名5泊の有難いお客様で、こちらも3室使用をご希望。

そのときまでにお湯のトラブルが解決しておらず、ホテルをとるのであれば、30数万円が拙者の細い肩にのしかかってくる(うちの料金はその半分以下)。

宿泊業者コロスのに刃物はいらないとおっしゃったのはたしか聖徳太子(いやアーサー王か)。そのようにして危険海域に突入したわけだが、これは給湯設備が直らない場合の話であり、魔法のようにお湯が出るようになれば何食わぬ顔して営業できる。

翌朝一番で設備会社に泣きを入れたところ、驚いたことに1時間で技術者が来てくれた。

で、どーなってる?故障は深刻?直る?部品ある?それとも調達に1週間かかる?!

と大焦りしながら待っていたら、問題はあっさり解決した。ひとつ前のゲストが操作パネルをいじくり、湯温の設定を60℃から30℃まで下げていたことが判明(証拠はないが状況からして確定的)。

そういえばあのお客さん、給湯パネルはどこにあるのか(←ハウスマニュアルに明記してある)と尋ねてきたとき、ちょっと嫌な予感がしたんだが・・・

おそらく60℃じゃ熱くて風呂に入れないと思ったのだろう。タンク湯温は60℃でも、風呂の湯は40℃になるとパネルに各国語の説明をつけてあるんだが、そういうのって読んでくれなかったりするもんなんだろう。

原因はわかったが、午後のチェックインまでにお湯が間に合うかどうかが問題だった。

うちの給湯システム(エコキュート)は、深夜に湯を沸かしてタンクに貯める方式なので、通常であれば翌朝にならなければお湯はできない。このため技術者は給湯機本体についている強制沸き上げボタンを押し、数時間でタンクを満タンにしてくれた。

順調に稼働しているかどうか確認するため、午後にも足を運んでくれ、ほんとに助かりました。

リモート経営はこういうとき難しい。自分がすっ飛んでいって対応するなり、誠意を見せるなりすれば突破できるトラブルでも、遠隔地にいてうかうかすると傷口を広げることになりやすい。

今回ひとつだけよかったことは、風呂を使えなかったゲストがチェックアウト後にわざわざメッセージをくれて、「残念な故障はあったけど、宿はとてもいいし、あなたはとてもよくしてくれたから嬉しかった。レビューで故障について触れることはないからね」と伝えてくれた。

申し訳なさとともに嬉しさじわじわのへっぽこ亭主であった。

1号の心労なんぞどこ吹く風、ペニーさん棒投げスタンバイの雄姿

ペニーは1号2号の腕の中で静かにできる時間がだんだん長くなってきた。甘やかしすぎはいかんと思いつつ・・・

ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。

にほんブログ村 海外生活ブログへ

アジアランキング