Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

そこは軍隊式で

妻はたびたび職場で微妙な気分になることがあるそうな。

彼女は目上のひとたちに丁寧な口をきく。既知の仲でファーストネームを使うよう求められた相手は別として、名前を呼びかけるとき Sir や Ma'am(Madam の略)を生真面目に使う。その習慣は前職の国防総省じこみだろう。上下関係に厳しい軍隊では教科書どおりの呼び方が徹底されている。

妻の職場は研究機関(戦争のやり方ではなく、戦争を避けるための外交術などについて上級士官を教育する場)で民間人の研究者も多かったが、背中にモノサシが入っているような将校も歩き回っており、一般社会とは雰囲気が違っていた。

そういうわけで Sir / Ma'am の使用がすっかり身についた妻だが、今の職場にはサーマダム何それなひとも多く、妻がそれを口にすると同席者から奇異の視線を向けられることがあるという。単に堅苦しいと感じるのだったらいいが、エライひとに尻尾ふりやがってなんて思われたら心外だろう。

ただ、ひとくちにアメリカ人といってもいろいろで、南部出身の育ちのいいひとなどは実に丁重な口のきき方をする。たとえばスーパーのレジで

従業員「支払いはカードですか?」

客「Yes, Ma'am」

立派な紳士が若い従業員にこう話しかけるのを、何度か見たことがある。妻の職場にもそういう系統のひとがぽつぽついて、かれらが伝統的な丁寧さを発揮するたび妻は少しほっとするらしい。

あたしがほっとするのはコレ

軍隊式の丁寧な口のききかたと言ったが、軍人がどんな場面でも美しくしゃべるわけではなく、むしろ一般的には使っちゃいけないことになっている4文字ワードを威勢よく放ち、 ”口ぎたないオトコの世界” を現出させることが多い(もちろん目上に対してではなく)。妻の場合そっちからの影響も脳の奥底に眠っているらしく、気の置けない仲間が相手で興が乗った場合にかぎり、切れ味のいいフレーズを飛ばすことがある。これは見ていてたいへん面白い。

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