クルマを借りたのはノルマンディー西部の史跡を訪ねるためだったが、そこまでの移動を行き当たりばったりで楽しむのにクルマ移動は最適。なるべく高速道路を使わず、田舎道をのんびり走っていると、そこここに出会いが待ち伏せている。
村はずれの農道に入りこんで停車したのは、この季節のヨーロッパを代表する風景を堪能するため。
そう、菜の花っす。
世界の菜種油生産量は、カナダ、中国、インドの順で、それに次いでドイツがあり、フランスがある。世界第5位の生産量をほこるフランスの菜の花畑。見渡すかぎりという言葉をわたしたちが使うのは海に出たときぐらいだが、ここでは見渡すかぎりの黄色い絨毯。
拙者、ムツゴロウ先生のように動物と接することはできないが、フランス語で「むぅ~」とやってみたら牛たちが寄ってきた。
ところが、そっと差し出したスマホを危険ブツと思ったのか、先頭の子がいきなり回れ右をして駆け出し、全頭がそれにならって逃げ去ってしまった。
ごめん。ほんとにごめんね。
外国人が誰も知らないような無名の村に、なかなか悪くないパン屋があった。
Patisserie Leroy B(パティスリー・ルロワべーと読むのだろうか)といい、よそ者はナビなしでは絶対たどりつけないようなところにある。
切り盛りしているおっかさんたち(厨房で働いているのは男たちぽい)は、とても人懐こくていい感じ。そのうえ幸運なことに他に客がいないときに入ったので、ゆっくり見てまわることができた(妻が)。
バゲットひとつにもいろんな種類があるのはもちろんとして・・・
幼児の手のひらほどの小さな調理パンがたくさんあって楽しそう。
甘いものもばっちり。
ちょうど昼食どきだったので、わたしたちはピザみたいなものと甘い物(エクレアとアップルパイ)を買い、店のすぐ前の小さな公園で食事をはじめた。
「なにか飲み物はいる?」と聞かれたのでカプチーノを頼んだんだけど、合わせていくらだった思う? ちなみにピザは15×20cmぐらいのが2枚。
これで8ユーロちょっと。パリで同じものを食べたら2~3倍するよね。これだったら村人が普段の生活のなかでちょいちょい買いにこられるんじゃないか。ちなみにこの店はレビューで高評価を得ており、遠来の客がけっこう来ている様子だった。だからといって値段を吊り上げてこないところがこの店の良さかとも思った。
なんか、フランスの田舎って豊かだね。ふだんフランス人の悪口ばかり言ってるけど、彼らの暮らし方、社会のつくりかたには見習うべきところがたくさんあると思う。
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