Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

財布がない!

旅行中の危機としては最大級てかメガトンパンチ級のやつに見舞われたが、まるで奇跡のような展開の末、ノーダメージで終わった話。

その日わたしたちはベルギーのアントワープを列車で発ち、ブリュッセルで高速鉄道に乗り替えてパリへ、パリからローカル線でノルマンディー地方の中心都市ルーアンまで、ざっと5時間ほどの旅を予定していた。

ブリュッセルまで列車の遅れもなく順調に移動し、パリ行き特急の座席に収まった直後、わたしは前夜泊まったアントワープのホテルに財布を忘れてきたことに気づいた。クレジットカードは妻のを使えばいいが、運転免許証がなければルーアンで予定していたレンタカーを借りることができない。日本だったら宅配便ですぐに送り出してもらい、翌日には手に入れることも可能だが、フランスではそんなこと一瞬でも考えないほうがいい。

「取りに行こう!」

こういうとき常にわたしより決断が一歩早い妻が席からガバッと立ち、ふたりは発車ベルの寸前に特急から飛び降りた。300ユーロ近くした切符は無駄になるだろうが、財布ゲットが最優先。急いでホテルに電話。残念ながら本部のオペレーターにしかつながらない欧米あるあるパターンで、アントワープのフロントと話すまでに手間取ったが、なんとか財布の所在を確認し、さっき乗ってきたローカル線で取って返そうと切符の販売機に取りついた瞬間、今度は妻が真っ青に。

「さ、財布がっ」

今度は彼女の財布が消えていた。さっき特急列車の席からガバッと立ったとき、防寒ジャケットのポケットからこぼれ落ちたのだろうか。いやそれ以外には考えられない。だが特急はすでにパリに向けて出発しており、当面はどうすることもできず、とりあえず私の財布を受け取るためアントワープへの戻りを最優先することに。

そのための切符は、財布の盗難・紛失に備えて用意してあった第二財布のクレジットカードで買うことができた。同時に紛失したほうのクレジットカードはアプリから一時的にブロックすることができ、最悪の展開は防ぐことができた。日本のクレカの最新事情について明るくないが、今でも電話でしか止められず、復活させるにはえらい手間がかかる=海外旅行先ではたいへん苦労する習わしは今も続いているのだろうか。

さて、クレカは停止できたものの、妻が失くした財布には運転免許証などが入っており、是が非でも取り戻さねばならないが、治安の良くないヨーロッパではどうか。アントワープ行き列車を待つあいだ、妻は鉄道会社に掛け合って走行中のパリ行き特急の車掌に連絡をつけてもらうところまでは漕ぎつけた。だが残念なことに、私たちの席まで探しに行ってくれた車掌が財布を見つけることはなかった。

それからアントワープへ取って返し、ホテルでわたしの財布を取りもどし、すぐにまたブリュッセルに戻ってきたところで、奇跡の大逆転が始まるのだが、続きはまた明日。

ヨーロッパ屈指の美しさを誇るアントワープ中央駅

実は拙者、今日またしてもトラブルに見舞われてくったくた、電池切れになりました。人生が楽になることなんてありゃしませんぜ。

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