Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

死に物狂いなわけ

プーチンの狂気がウクライナに攻め入ってから1年目に思ったこと。

1)バイデンはいずれキーウへ行くだろうと思っていたらこの機をいかして電撃訪問、西側諸国が支援の手をゆるめる気のないことを世界にアピールし、対露戦争は新たな段階に入った。

わたしは戦争イケイケなんてかけらも思っていないけれど、ロシアの歪んだ野望を完全に叩き潰しておく必要はあると思う。こんなことを許したら、大小のならず者国家が何を始めるのか、目をつむらなくてもよく見える。わけても中国が暴れたときの影響は日本にとっても大きい。

2)ウクライナは完全なる被害者であり、国際社会がこれを支えることに正義はあるが、だからといってウクライナが純真無垢な国家ということにはならない。この国では政治家と役人の腐敗、ワイロと不正蓄財の横行が長く続いてきた。パワーを手にした者が我が物顔にふるまう社会風土という点でウクライナは、同じスラブ民族であるロシアと同質と考えて差支えあるまい。

現にこの戦時下にあってすらウクライナ政府では各国から寄せられた支援金のちょろまかしを含めた汚職・不正が頻発しており、英国BBCが伝えるところでは大統領側近1名、副大統領4名、州知事5名がゼレンスキー大統領によって解任されている。というか、平時であればゼレンスキー大統領本人も億ドル単位の不正蓄財をしていたとしても驚かず、それがウクライナという国家の実像だ。だから今の戦争にカタがついて平和になったとき、ウクライナの様々な闇が発覚したとしても、純真な子供のように驚いてはいけない。

3)それにしてもウクライナ人は勇敢に戦っている。この戦争が始まったころ、日本というお花畑からは「戦争なんかしないでロシアに妥協したら」といった能天気な声が聞こえてきたものだが、そういう連中はウクライナ人のロシア恐怖症の深刻さについてまるで理解していない。ゼレンスキーのお爺ちゃんの時代(1932年)、ウクライナを含むソビエト連邦ではスターリンによる食料増産政策が大コケして食糧難に陥った。

スターリンは、それほど不作でなかったウクライナから穀物を強制的に徴収。

飢饉に追い込まれ反発するウクライナ農民を武力で抑圧。

さらにこの現状を「反ソ活動」と決めつけ、ウクライナ人の財産没収・外地に強制移住。

自給自足の生活を破壊されたウクライナで飢饉が深刻化、死者300万人とも1000万人ともいわれている。

ゼ大統領の祖父(1924年生まれ)と同世代の子供たち

一般的に「ウクライナ大飢饉」と呼ばれているが、実質的にはスターリンによるジェノサイドといえる。この記憶はウクライナのあらゆる家庭で語り継がれ、ロシア人へのただならぬ警戒心を育ててきたものにちがいない。ウクライナ人が命がけで抵抗する理由のひとつがここにある。このことを極東のお花畑から眺めるときに得られる教訓は、歴史を学ばずして口を開くなかれという一点に尽きる。

ところで健康上の理由でしばらくブログを休止または文字数を激しく少なくするかもしれません。いやなんの、大したことじゃないんですけどね。

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