ＡＩ（人工知能）といえば、囲碁将棋が人間より強いとか、画家顔負けのすごい絵を描くとか、クルマの自動運転に欠かせない技術だとか、ＡＩの普及につれ消滅する職業は何かとかいった話題が賑やかだが、ＡＩとお話ししたことのあるひとはそんなに多くないだろう。
そこで ChatGPT（サイトの色使いが思いきり怪しいけど大丈夫。使用は要アカウント作成）というＡＩとお話ししてみた。ＡＩに対抗できるだけの教養あるのかって？そういうんじゃなくて、チャット形式で質問すると答えてくれます。とりあえず単純だけどでっかい質問をぶつけてみた。
Ｑ：ローマ帝国はなぜ滅びたのですか？（以下、下線 by OTTO）
ローマ帝国は複数の要因によって滅ぶことができました。これには、内部の経済的問題、内乱、外敵からの攻撃、軍事力の弱さ、政治的不安定などが含まれます。また、帝国が広がりすぎたことによって統治が困難になったため、内部に分裂が起こったことも影響を及ぼしました。
質問してから回答が表示されるまで２０秒。いきなり「滅ぶことができました」とかやらかす以外はけっこうまともな日本語で、要点を明快にまとめてくれた。おそらくネット上のさまざまな情報をばあああっと読み込み、いろんな説を突き合せたうえで、平均点を出すようにしてまとめたものだろう。わたしが何日もかけて読んだローマ史本の内容ともおおむね一致しており、けっこう信頼できる感じ。
そこで、ChatGPT が示したローマ帝国崩壊のいくつかの要因について、より詳しい説明を求めてみた。きちんとまとまった答えを示してくれるだろうか。
Ｑ：ローマ帝国を悩ませた経済的問題、内乱、外敵からの攻撃、軍事力の弱さ、政治的不安定について具体的に教えてください。（以下、太字 by OTTO）
内部の経済的問題: ローマ帝国は広大な領土を統治するために多額の費用を投入する必要がありましたが、帝国内の税収が不足していたため、経済的な困難が生じました。また、通貨の詐欺やインフレなども問題となりました。
内乱: 帝国内で政治的な不満や不安が広がり、内乱が起こることがありました。また、内部の権力闘争も多発しました。
外敵からの攻撃: 帝国の境界を守るために多くの軍隊を投入する必要がありましたが、外敵からの攻撃が強まったことも影響しました。また、内部の不安定が外敵に利用されることもありました。
軍事力の弱さ: 費用のかかる軍事力の維持に追われ、軍事力が弱まっていたため、帝国は外敵からの攻撃に弱くなりました。
政治的不安定: 政治的な不安定や権力闘争が多発することがあり、政治的な穏健さを保つことが困難になりました。また、過剰な権力を持った者によって政治が支配されることもありました。
すでにお気づきかと思うが、これだけでもローマ帝国に関する短いレポートとして誰かに見せられそうなレベルになっている。さらには、太字のキーワード「帝国内の税収が不足」などの理由について質問し、その回答をうまいこと並べていくだけで、ローマ史レポートはどんどん長い読み物になっていく。
こんな感じで ChatGPT は、ビジネス企画書の作成にも役立つだろうし、ブログや物品販売サイトなどオンライン著述でも広く活躍するようになるだろう。
そうすると気になってくるのは、物事への評価や判断がからむ内容を ChatGPT がどう扱うのかという点。 そこで次のように質問してみた。
Ｑ：ローマ帝国が滅びた原因を考えるとき、ローマ帝国が共和制を止め皇帝制に移行した事は正解だったと言えるでしょうか？（以下、下線 by OTTO）
ローマ帝国が共和制から皇帝制に移行した事が帝国の滅亡に直接的に寄与したとは言えませんが、当時の政治的な不安定や権力の乱用などが、帝国の滅亡に拍車をかけたことは否定できません。
皇帝制によって一人の統治者が強力な権力を持つようになったことは、内部の権力闘争や政治的な不安定を引き起こし、帝国を弱体化させることにも寄与しました。
しかしながら、ローマ帝国の滅亡は複数の要因によって引き起こされたものであり、単一の要因によって引き起こされたものではありません。帝国の経済的問題、内乱、外敵からの攻撃、軍事力の弱さ、政治的不安定などが重要な役割を果たしています。
このように ChatGPT は、考える材料を丁寧に提示はするが、評価や判断には踏み込まない節度ある語り手という感じがした。以上はローマ帝国という過去の事象についての質問だったが、今度は将来について尋ねてみた。
Ｑ：アメリカ合衆国がローマ帝国のように滅びる可能性はあるでしょうか？
将来のことは予想することは困難ですが、アメリカ合衆国がローマ帝国のように滅ぶということはありえますが、またありえません。
アメリカ合衆国は、強力な軍事力や経済力、多様な人種や文化を有する多国籍国家であり、国内外の様々な課題に対応する能力がありますが、同時に政治的な不安定や経済的な問題、国際的な緊張関係などが存在することも事実です。
今後、アメリカ合衆国が抱える問題をどのように解決するか、国内外の様々な要因がどのように働きかけるかによって、アメリカ合衆国が滅亡するかどうかが決まることです。
なるほど。それではアメリカの未来について、もっと具体的で生臭い質問にはどう答えてくるのか。
Ｑ：次のアメリカ大統領選にバイデンとトランプが立候補した場合、どちらが有利になりますか？
私はOpenAIの人工知能モデルであり、未来のことを予想することはできません。また、政治的な問題に対する個人的な見解を述べることはできません。
次の大統領選での両候補者に対する国民の支持率や選挙キャンペーンの戦略、国内外の政治的な状況など、多様な要因が選挙の結果に影響することになります。有権者が選挙で選ぶことで、どちらの候補者が有利になるかが決まることになります。
うう～ん、しごくまっとう。これだけのテストで最終判断するつもりはないし、ChatGPT が今度どうなっていくのかもわからないし、ChatGPT がマトモであっても他に「邪悪なＡＩ」が出てくれば話は変わるが、今のところＡＩの世界では一定の客観性のようなものが保たれているらしく、少し安心した。
最後に、ここで ChatGPT から得られた情報は、Google で調べれば出てくるものばかりだと思うが、だらだら長い文章から要点を切り抜く作業、Google 広告とのからみで出来のよくないサイトに飛ばされて無駄にする時間を考えると、ChatGPT のようなＡＩの効率の高さはすごいと思う。とすれば Google が情報の流れを独占する時代もそろそろ終わり？な感じもするのだが、そうだいっちょ ChatGPT に尋ねてみっか・・・
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