大晦日は鍋つつきながら紅白を録画で。
久しぶりのリアル鍋(土鍋 on Iwatani)もよかったが、紅白が近年ではもっとも出来がよく、普段はちゃんと耳をかたむけること数曲という拙者も、ついついけっこう観てしまった。
1.演歌はけん玉のような色物に仕立てないと出番が回ってこない時代になって気の毒だったが、今回はその先へ一歩進んだ演出により、ステージ上も客席も全体が楽しめるエンターテインメントになっていた。
2.司会の橋本環奈さん、下品な感じがあまり好きじゃなかったけど、飛んでくるアドリブを細かいところまできっちり受けて転がす能力はすごいと思った。
3.加山雄三さんのラストステージ、数日前に見たドキュメンタリーで声が出ない、音程が外れるといった悲しい姿(←よくぞ公開したものだ)を見たばかりで心配していたが、紅白での「海 その愛」は、最初のサビで高音がきまってからは表情がリラックスし、85歳の歌唱としては絶賛にあたいするボーカルを聞かせてくれた。さすがはスーパースター。
4.石川さゆりさん、(たしか)前回の出場では「天城越え」の高音域がまるで精彩を欠き、ついにこのひとも終わりかとシンミリしたものだが、今回はきっちりとリベンジを果たしてくれて嬉しかった。声質の全盛期が過ぎたことは間違いないが、円熟した歌の技がきらめく存在(従って現在の「女王」は坂本冬美さんということになる)。
ふんわり甘口お子様用ワインを楽しみながら紅白を観終える。男女というジェンダー分けと、それらが勝負をつける方式がとっくに時代遅れなんじゃとここ数年思ってきたところ、さすがにドラスチックな改革こそなかったものの、番組制作者が「もう勝敗なんてどうでもいいんだよね、楽しければ」と考えていることがラストの演出に表れていた。
制作担当者は誰なのかとネットで調べてみたら、出てきたプロデューサー名を見て妻が声を上げる。
「同期だわ~、もうそういう年になっちゃったんだねえ」
今を去ること二十ウン年前に彼女が入局したときの同期職員で、一貫して芸能番組にたずさわってきた。紅白の制作責任者を務めることはエリートのあかしともいえるが、ただこなすだけではなく今回のような立派な仕事をなしとげたことに賞賛をお送りしたい。
元旦はバージニアの日本晴れ。
散歩から帰ったら雑煮の用意が整っていた。
スープはいろいろ混ぜて味見なしだけどいいかにゃ?そう聞かれてもまったく動じない程度には妻の手腕を信じている。じっさい食ってみたらめちゃ美味し。
てなこといいながらわが家の2023年をよきものにしていきたい。
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