Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

ペニーさん、ご乱入

言われてみればその通りなんだけど、結婚して20年、妻の前でギターを弾いたことが一度もなかった。

「あたし聞いたことないわよ」

妻がそうこぼしたのは、わたしがギターの梱包を解いて30年ぶりに音を出したときのこと。なんかようわからんが、妻はわたしが楽器を弾く姿にトキメキのようなものを覚えるのだそうで、そんなに好評なんだったら恥ずかしさを抑え込みながら一発弾き語りでも披露したろやないけと思ったところに妻の誕生日が来た。

まあまあそこに座って・・・と妻をソファに誘導し、はっぴばあすでえええとひどい英語で唸りあげ、続いて花束贈呈、思いのほか強い反応を見せた妻が鼻を真っ赤にして涙を流し始めたそのときだった。別室のベッドで丸くなっていたはずのペニーが乱入してきたのは。

歯を思いっきりむき出してプシュン! プシュン!とくしゃみするのは彼女が激しく興奮しているとき。夫婦の感動的なシーンが展開されるはずだったステージは、ペニーの爆笑リアクションに席巻されてしまった。

イヌというのは多かれ少なかれそういうものだと思うが、ペニーはわたしたちの精神状態に反応して慰めにきたり元気をなくしたりすることが多く、今回は妻の感情のたかまりを察知して飛んできてくれたのだろう。ほんま、可愛いやっちゃ。

写真のバラは数日後、花びらをいっぱいに広げ、強い芳香でわが家を癒してくれた。

あっ、妻が感動したのは俺の歌じゃなく・・・?!

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