Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

聞く力、鬼のごとし

妻の職場さがしに、一応の結論が出た。まだ内々定みたいなもので、最終的に承認される前にひっくり返る可能性はあるが、ここまでのところ戦果ゼロではなかったことが嬉しい。

「あたしもー」

3ヶ所からオファーをもらった。いずれも椅子が1個しか空いていない任地だった。

そもそも彼女の職種は人数の割には椅子の数が少なく、たとえば営業1課と2課には100個ずつ椅子が用意されているのに、3課だけは70個しかなく、常に30人があぶれる感じ。あぶれたら別の部に出稼ぎにいくか、本省のどこかに潜り込んで職を得るしかない。そのうえ今回のように出走が遅れたレースでは・・・と覚悟していたところ、彼女は3個の椅子をきっちりぶんどってきた。

勝因は何かと考えてみた。優れた人事評価のほか、入省以前のキャリア(メディアや他省研究機関での仕事)が認められたこともあるだろうが、わたしは彼女の「聞く力」によるところも大きいだろうと思っている。

電話面接での会話の様子を、薄っすいドア越しに何度か耳にしたところでは、面白いことに妻が相手(面接官)の話に「うんうん、そうでっかー」とやっている場面がけっこう多かった気がする。

もちろん会話はしゃっちょこばった一問一答にとどまらず、任地の様子などについて向こうが語る流れはある。そんなとき妻が発するウエーブ、あなたのお話を熱心に聞いてますよというメッセージが「うんうん」のひとことにも濃厚に込められており、相手がついつい気持ちよく語ってしまうのではないか。

アメリカ人にはこんなときパワフルに自分を押し出せば成功すると信じ、ひたすら声を張ってくるやかましいひとが少なくないが、妻は半身に日本文化を湛えているせいか、良くも悪くも一歩引いて柔らかなコミュニケーションをする術を会得しており、そのことが声音ひとつにも表れ、相手のハートを包み込むのだと思う。

おそらく面接官は、自分では意識せず気持ちのよい時間を過ごしてしまい、ついうっかり(この人と仕事をしたら楽そうやな・・・)てな気分で採点表を埋めていくのではなかろうか。

聞く力、しゃべらす力が鬼ほど強い我が妻。独身時代、深夜電話で彼女と話しながら、(ああこの声を一生聞いてたい・・・)と強く思ったことを思い出す。

さて、こたびの内々定が無事に決定まで進んだ場合、任地当てクイズをここで実施し、正解した方には抽選で日テレ特製「笑点座布団」を差し上げるとかフト思ってみたんだけどどーかにゃ?

座布団入手のメドは立ってないけど。

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