Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

絵本と涙

去年の秋、日本にいる姪っ子が二人目を産んだので何かプレゼントしたいと申し出たところ、アメリカの絵本が欲しいと言ってきた。幼いうちから英語に親しむチャンスを与えたいという親心。

そこで妻がむかしお世話になった定番絵本などを見つくろうことにしたのだが、去年の妻@ブリュッセルはウクライナ対応の忙しさに加え、悪魔のせいで精神的に追い込まれて絵本さがしどころではなく、宿題としてアメリカへ持ってきた。赤ん坊が絵本を読めるようになるのはまだ先だから、慌てる必要はないんだけど。

本屋で物色。絵本の世界はなかなか面白く、妻がウン十年前に読んだやつが今でも売られている一方で、人種・ジェンダー・家族などの多様化をテーマとする作品が山ほど出版されている。

アメリカ人として育てるんだったら必須の情報だが、日本だとどうなのかね。サベツとかそういうドロドロしたことを「無垢な子供に教えるのは」みたいなメンタリティのひとが少なくないかも?

念のためそういうアメリカ的なやつは外した状態で十数冊をそろえ、一時帰国のとき持って行った。いや出来のいいやつ多かったっす。

絵本を探し、こーゆーのがいいんじゃねえかみたいなテキトーな意見をわたしが述べているとき、妻が急に涙ぐんだ。

「あなたは素敵なパパになっただろうね・・・」

その次はわかっている。父親になるチャンスをあげられなかったことが申し訳ないという悔悟の言葉。

子が得られなかったことは、どちらのせいでもない。わたしの側に問題があったことも数値が示していた。そのことをわたしは繰り返し言ってきたし、妻も理屈としてはよくわかっていると思うが、1年に1度くらいはこうして噴き出してくる。彼女自身の落胆の大きさだけでなく、リベラルな価値観を植えつけられてきた世代でも、子を産むのは女性の責任という価値観から逃れきることが難しいのだろうか。

途中まで育った「我が子」を亡くしたこと、今でも時々思い出しては涙が止まらなくなる・・・なんてよくも淡々と書けるもんだと笑っちゃうくらいツライ。だが、そういう思いをよその子供たちの役に立てる方向に生かすという点で、わたしと妻は完全に一致している。

十何冊の絵本、ちっとは役に立ってくれるかなあ。

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