Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

この「セルフ」あかんでしょ

成田を発つとき、ちょっとダルい思いをしたのはANAのチェックインカウンターだった。手荷物をセルフチェックインしろというのだが、なんだか出来の悪いシステムのせいでえらく手間取った。

これはいつから始まったものだろう、わたしたちにとっては初体験のシステム。

髪は出発前夜にカット😊

ベルトコンベアに荷物を乗せて重さを計ったあと、印刷されて出てきた手荷物タグを取っ手に巻きつけるという手順。操作説明が直感的に理解しにくく、スーパーなどのセルフレジに慣れた身であってもモタついてしまう。すべてが初体験だから仕方ないとしても、手荷物タグの巻き付けは要領よくやらないとグニャッと歪んでしまいがち。

そのあと案内動画のようにタグを装置に読み取らせるのだが、少なくともわたしたちが当たった機械は読み取りがなかなかうまくいかず、カバンを縦にしたり横にしたりを繰り返してなんとか成功。すべてANAスタッフの助けを借りながら手荷物4個をどうにかチェックインすることができた。

これに費やした時間は、有人カウンターで預けるときの3倍はかかっており、顧客としてひとつもメリットを感じなかった。ANAにとってはどうか。装置の導入は、チェックインのスピードアップと人件費の抑制が目的だと思うが、現状ではスタッフがつきっきりになるうえ従来方式より時間がかかっており、目的が達成されているとはとても思えなかった。作業の合理化に失敗するのはANAの勝手だが、不出来なシステムのせいで客に余計な汗をかかせるのはサービス業としてどうかという話。

ちなみにワシントンダレス国際空港のANAカウンターでは、受け付け開始時に職員がカウンター前に並び、オハヨウゴザイマスと丁寧にお辞儀することが今でも行われている。

列に並んでいたアメリカ人乗客は別のアメリカ人に「あと5分で不思議なお辞儀セレモニー始まるよ」と少し馬鹿にした言い方をしていた。総じて固い表情をしたスタッフが頭だけを下げるANAの儀式がアメリカ人の考える挨拶ーーにこやかなコミュニケーションとは程遠いものであることは言うまでもない。外国人による評価を待つまでもなく、強制されたお辞儀お仕着せの挨拶言葉が本当のサービスになっていないことくらい日本人だって皆わかっている。

良きサービスとは、客をもてなしたい、互いに人間として気持ちよく接したいという従業員の気持から出てくるものであり、そうした従業員マインドが育つ風土の構築こそが経営者の仕事ではないか。オハヨウゴザイマスと頭を下げさせて「当社の顧客サービスは一流」なんて思いこむのは勝手だが、そんなものサービスでもなんでもないどころか、時代遅れのダメ会社イメージを拡散させているだけだと思う。

以上、ANAをはじめとする日本企業を応援する立場、そして背筋がむずがゆくなるような「サービス」を苦手とする立場からの提案。

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