Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

カナダの意外な「闇」

ワシントンDCに住んでいたDさんが最近カナダに引っ越して、えらくびっくりしたことがあったそうな。

これまで研究教育機関に勤めてきた彼は、博士号の取得を目指すことになり、大学のあるトロントに移ることになった。入学手続きのほか、新婚の妻と暮らすアパートを決めるため事前にトロントへ行ったときのこと。カナダの社会ルールはアメリカと似たようなものだろうと思っていたDさんにとって、想像の斜め上をいく事態がもちあがった。いくつかのアパートを内見した結果、気に入った物件を見つけたDさん。そのことを不動産屋に伝え「入居を申し込んだ」つもりだったのだが・・・

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あとから電話がかかってきて、その部屋は別の客が入るすることになったと伝えられたという。いやちょっと待ってよ不動産ってのは最初に手を挙げたひとが契約できるってのがルールじゃね?とわたしは思ったしDさんもそう思ったわけだが、カナダでは事情が違うらしい。

不動産屋に食い下がったり、ひとから事情を聞いたりしてわかってきたのは、カナダでは複数の入居希望者のうち不動産屋・大家が気に入ったひとを選ぶことができるというのだ。大家にとっては夢のようなルールかもしれないが、これで外国人が圧倒的に不利になることは言うまでもない。

ちなみにDさんの見かけは普通の白人で、有色人種が受けがちな差別とは無縁といっていいと思うが、アメリカのパスポートを見せた瞬間、ガイジン枠に入れられてしまうわけで。

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奮闘努力の結果、ようやく貸してもらえそうな物件を見つけたDさんを待っていたのは二つ目の障害だった。ガイジンは保証人を立てないと入居できないという。それだけならまだわかる。Dさんは収入のない学生になるわけで、経済的な保証を求められても文句はいえない。まず問題になったのが保証人の収入額で、Dさんの友達ぐらいではとても手が届かず、NYで医師と弁護士をしている両親を引っ張り出してようやく要求額に手が届くと思ったら・・・結局のところ保証人はカナダ人に限るといわれて困り果て、必死になって考えた末、兄嫁の両親がカナダ人であることを思い出し、大急ぎで相談したところ承諾を得ることができたという。

こんな具合で、カナダで外国人が部屋を借りるためには、驚くほど高いハードルを越える必要がありそう。カナダ人といえば牧歌的なキャラクターを想像しがちのところ、こういう島国根性的な閉鎖性が隠されているんだねえ。旅行者の目には絶対映ることのない現実。

ところでDさんは先月トロントへ引越して行ったんだが、その移動が大名行列みたいになったらしい。まずDさんと新妻がレンタルトラックでトロントへ向かい、およそ800kmの道のりを1日で走破。

トラックになった理由は、Ⅾさんは家具へのこだわりが強く、じっくり選んだ愛用品を手放す気なんてさらさらないから。引越し業者に頼めば7千ドルかかるところ、レンタカーなら乗り捨て料金をふくめてもはるかに安く、自前で運ぶことにしたという。小柄でひょろっとした感じのDさんがたくましくトラックに積み込む姿を想像して笑みがこぼれましたよ。

このトラックに続き、Dさん妻の両親など家族が「カナダ観光すべえ」と自家用車で追走。このクルマには「初めての外国旅行すべえ」というお婆ちゃんも同乗した。往復ともクルマはつらかろうと、帰路は奮発して飛行機だったらしいが。

民族大移動な引越しは実に楽しそう。行く先が意外な「闇」をはらむカナダであっても、彼らは楽しく元気にやるだろうし、数年後には立派な博士さまになってDCへ帰ってくることだろう。

待ってるよーん

そのころ、わたしたちはどこにいるか。

DC?

アフリカのちっっちゃい国?

日本という可能性も理論的にはゼロじゃない。

できれば「闇」がそんなに深くないところ希望。

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