Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

天使さん、本気出す

引越し荷物の送り出しは、天使Nさんの大活躍により無事に済ますことができた。

業者は午前8時半から9時のあいだに到着とのことだったが、Nさんは「念のため」といって7時半着。それはこちらの午前1時半。

すぐにNさんから連絡入って、荷物の仕分けなどについて確認のやりとりが始まり、それ以降、小一時間眠っては WhatsApp がチーンと鳴ってNさんと会話ということが朝まで続いた。体力的にしんどかったが、わたしがうっかり放置していたブツがちゃんと梱包されたり、置いていくべきもの(米国政府の備品)の再確認がとれたりして、本当に助かった。

作業がスパッと終わったわけではない。

夕方、箱詰めが終了したところで作業員が突然姿を消し、なかなか戻ってこない。Nさんは食事休憩だろうといって穏かに待っていてくれたが、申し訳なくていたたまれず。

ようやく兄ちゃんたちが戻ってきて、消防ハシゴ車みたいなエレベーターで段ボール箱を地面に降ろし始めたはいいが、そこからが長かった。

大きな木箱を組み立ててそこに段ボール箱を詰め込む作業にえらく時間がかかっているもよう。木箱内に変な隙間ができぬよう詰め込んでいくのにはスキルが必要で、そこでヘタを打つと荷物が損傷するからちゃんとやってもらいたくはあるのだが、時計の針はどんどん進み、夜が更けていく。

Nさんもわたしたちも夕方には終わると思っていた。申し訳ない思いで一杯だったが、途中で放り出すわけにもいかない局面。Nさんは「あたしは大丈夫。それより今こんなふうになってるよ」といいながら動画を送ってくる。

最後の木箱を組み立て始めたところ

一杯になったコンテナ車が去って行ったのは22時すぎ。

実はNさん、クソうるさい退去ルールのことを知るなり引っ越し作業後に細かいゴミだらけになる床の掃除を申し出てくれ、そこまで甘えるわけには・・・と上品にお断わりしたものの、総務担当者による嫌がらせの懸念もあり、Nさんの熱心な提案を有難くお受けすることにしていた。

でも、これだけ遅い時間になったのだから掃除の件はご放念ください。そうNさんに伝えはしたが、彼女は意志を曲げることなく「明日また来るから大丈夫よ!」と明るく宣言。翌日の退勤後、約束どおり手持ち掃除機をたずさえてやってきたNさんは、WhatsApp 中継で要点を確認しながら掃除を済ませてくれた。

実はNさん、の第二弾なんだけど、彼女は最近結婚したばかりで、この引越しのすぐ前までアメリカにもどって式を挙げたりパーティーしたりという忙しさのなかで大役を引き受けてくれた。おまけにブリュッセルへの帰路にロストバゲージが発生し、どれほど調べても行方不明というやっかいな状況のただなかにいた。

もろもろ含めて本当に申し訳なく、どのようにお礼を言ったらいいのやら、なんとか新婚の祝いみたいなかたちで気持ちを示せはしないかと話し合っているところへ、清掃作業完了の連絡がNさんから来た。

--- It was my sincere honor and pleasure. I truly believe kindness and gratitude is the essence of who we are and we all deserve to be treated with such.

(おふたりの手伝いができたことを)心から光栄に思います。親切と感謝は人間の本質であり、私たちは皆そのように扱われるに値すると心から信じています。

こう述べたあとNさんは、ブリュッセルで辛い目に遭ったふたりが心安らかに新しい暮らしを始める手伝いができたことが自分にとってのすべてであり、お礼などということを少しでも考えてくれるなと、こちらの考えなどお見通しの優しい言葉をかけてくれた。

このあと音声通話がつながり、Nさんが

ほんとに気にしないでね、助け合いはお互いさまなんだから。We are team!

そう言ってくれたとき、わたしたちの涙腺が崩壊した。

3日後、引越し業者から船便の家財とクルマがアメリカの港に入るのは8月中旬との連絡あり、これは恐ろしいほどの早さといっていい。保税倉庫から出てきて配達されるまでにどれくらいかかるかは運次第だが、ここまでは順調で有難し。

これも本気を出してくれた天使さんの後押しだろうか。

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