いったい日本は大丈夫なのか大丈夫じゃないのかという話。
クルマの電動化に乗り遅れると、米国テスラや韓国メーカーなどに世界市場を奪われ、日本の自動車産業ヤヴァイという声をよく耳にする。
基幹産業たるクルマ製造が傾けば日本はけっこう危ないから、わたしはいまヨーロッパで急増中の電気自動車(以下、EV)という路上の風景を眺めつつ、EVはどれほどのスピードで増えるのかを気にしている。
EUでは今後13年のうちにEV以外は販売できなくなる(ハイブリッド車もダメ)。
そりゃえらいこったがまだ先の話やし・・・と思っているうち、身の回りでEVを見かけることがどんどん増えてきた。統計をチェックしておらず、単なる通行人の目分量にすぎないが、独仏などヨーロッパ車のほか、韓国車のEVがどんどん増えている。
EVの普及は充電スタンドの普及しだいであり、それもあちこちで見るようになった。
それではここで充電スタンドあるある。朝いちばんに見かけたクルマが、夕方になっても停めっぱなしということが多い。充電ケーブルさえ挿しておけば駐車違反をとられないので、駐車場代わりに使われているのだろう。一日に一台しか利用できない充電スタンドは、EV普及の起爆剤としてどうなのか。
もうひとつのあるあるは、充電スタンドを利用するクルマの大半がドイツ製高級車であること。
ベンツ、ビーエム、アウデーの3社は従来モデルのEV版のほか、EV専用設計のモデルを次々に発売しており、そのバリエーションにはちょっと驚かされている。もちろん高価格。お金持ちから順番にEV化しているというごく当たり前の流れが確認できる。
このようにしてEVが増えるなか、充電スタンドの「停めっぱなし問題」がうまく解決されていかなければ、どこかでEVは不便!の大合唱が起きるかもしれない。(一年前のはなしだが、米カリフォルニア州ではEVユーザーの20%が充電の不便さゆえにガソリン車に替えた)
それと、欧州で新車販売がEVに限られるようになる2035年までに、EV価格はどこまで下がるのか。そこがうまくいかないと、中古のガソリン車以外に選択肢がなくなる層の不満が増大し、「完全EV化」は政治的に難しくなるかもしれない。
不確定要素は何ごとにもついてまわる。そもそも地球温暖防止の最適解がEVと決まったわけでもない。だから、流れに乗り遅れ気味とも見えがちな日本メーカーには、実はいろんなチャンスがあるんじゃないか。
トヨタは、豊富なEVラインナップを発表すると同時に、今後もガソリンエンジンあり、EVあり、燃料電池ありの全方位展開でいくと社長は意気軒昂。いずれも巨額の投資を必要とするつらい選択ではあるが、これが冷静に近未来を見通した賢明な戦略であることを祈っている。
うち?うちは去年買ったガソリン車がくたばるまで乗っていきたいと思っている。ブリュッセル脱出のゴタゴタのなかで手放さざるを得ないかもしれんけどね。
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