ベルギーでは動物園のカバにまで感染が広がるなど、コロナ第4波が収まる気配はない。
そんななか、ワクチン未接種者への行動制限やワクチン義務化への流れに反対するデモが繰り返し行われ、ブリュッセルでは3万5000人のデモの一部が暴徒化する騒ぎにもなっている。
政策反対派の主張をひとことでいえば「ワクチンを打たない自由」であり、その権利意識はまあ理解できる。
ただし一方で、「ばらまきリスクの高いひとたちから身を守る権利」も等しく存在しているわけで、それを擁護するため政府には全力を尽くしてもらいたい。
先週末には妻の職場(数人の小さな部署)でも感染者が出て、コロナの足音がいよいよ聞こえてきた。
妻の知り合いのアメリカ人夫婦は、夫が国家安全保障関係の公務員、妻が医療関係で働いており、ともに公共意識が強いひとたちだといっていいだろう。
最近、6歳になる息子さんが2度目のワクチン接種を受けに行ったところ、1回目の注射がとても痛かったことを思い出し、泣きべそをかいてしまった。
怖くて怖くてしゃくりあげる息子にお父さんはこう言った。
「ワクチンはね、君自身だけじゃなく、まわりのひとたちすべてを守るために打つものなんだ。社会に貢献しようとしている君の姿を、お父さんはとても誇りに思うよ」
そう言われた坊やは何かが肚(はら)に落ちた様子でうなずき、静かに袖をまくったという。
ちゃんと教われば6歳の子だってできる社会貢献を、大のオトナが何万人も集まってヤダヤダするのが世間というもので、いまさら驚くには当たらない。
ただ、ここまでして「自由」を振りかざす連中というのは、見知らぬひとびとの努力によって自分が守られているという側面について考えてみたことがないのだろうか。
6歳の坊やに笑われるよ?
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