いつかこういうことが起きると思ってた。
とりあえず「事件」の前日のことだが、いつもの公園に野犬かと思われるイヌが現れた。首輪をしていないラブラドル(のミックス?)で、そこらを歩き回って食べ物をあさったりトイレをしたりしている。
ペニーに何かあってはいけないのですぐに抱き上げ、問題のわんこを撮影。必要ならドッグレスキューなどに保護を依頼するつもりだったからだ。
幸いにしてこの子は殺気立った様子もなくとりあえずはおとなしくしているが、子供がうっかり接近したら何が起きるかわからない・・・
と思っていたら、ひとりの中年男性が公園の外から入ってきて口笛を吹き、イヌはそっちへ向かって小走りに去っていった。
飼い犬ということで間違いなさそうだったが、首輪すらつけずに放すなんてイヌに対しても社会に対しても無責任すぎる。トイレの後始末しないことを含めて。
ブリュッセルではドッグパークではない普通の公園でリードを外す飼い主をちょくちょく目にする。そういうひとにリードの必要性を説くと、必ずといっていいほど「大丈夫、この子はいい子だから」と返してくる。
普段どれほど温和でも、動物であるかぎり不測の事態というのはある。他の子に近づいた瞬間おり悪しくハチに刺されたりでもしたら、攻撃されたと勘違いして噛みついていくことだってあるのだ。
「この子はいい子だから」な思い込みほど無知で無責任なものはないとわたしは思っている。
無知で無責任な飼い主のおかげでペニーがたいへん危ない目にあった。
写真を撮った翌日、同じ公園で棒投げ遊びをしていたとき(ペニーは5メートルの伸縮式リードにつながれている)、出し抜けにノーリードの中型犬が現れた。
散歩中のわたしは常に四方に気を配っているが、棒投げのときはどうしても注意が偏りがちになり、ほんの数秒のうちに遠くから駆け寄ってきたそのイヌに気づかずにいた。
ペニーも驚いたのだろう、イヌに向かってワン!とやったところ、相手は完全に頭にきた様子で吠えたて、ペニーを追い始めた。
そのイヌは攻撃性を極大化する訓練によって闘犬に使われることの多い犬種で、実際には情に厚く優しい犬種であるのに誤解されることが多いので種名は明記しないが、強力なアゴを持つあのわんこだ。
それが戯れではなくマジになってペニーを追い回し始めた。狂ったように吠えながら。
リードにつながれたままのペニーがわたしのまわりをぐるぐると周る。強力なアゴが一度はペニーの首すじをとらえ、牙こそ立たなかったが、唾液を残している。
二匹とも猛烈なスピードだから、ペニーを抱き上げる余裕がない。
思わずわたしは敵犬のアゴを蹴り上げた。
自分が攻撃対象になるリスクはあるが、ペニーをやられるよりはいい。
二度、三度と蹴り続ける。だがイヌたちが走る方向とわたしのキックの方向が同じだから威力は乏しく、敵犬はいよいよ興奮してペニーを追う。
四発目の蹴りがうまく当たり、少しは勢いを削いだ瞬間ペニーを抱き上げるのと、向こうの飼い主が駆けつけてきてイヌを引き離すのが同時だったと思う。
こっちは焦りと怒りで血管がぶち切れるほどで、リードを放すことの危険性を訴えたかったが果たしてこやつに英語が通じるのか・・・
と思ったところへひとりの女性が近づいてきて、飼い主に強い口調で何やら話している。そのひとは公園管理者の服装をしており(日曜なのに働いてた?)、おそらくベルギーのルールについて説明していたのだろう。
特定のドッグパーク以外では、公園であろうと街路であろうとリード外しはご法度。
飼い主の男はそんなこと考えてみたこともないのだろう、公園職員にぐずぐずと反論していたが、強くたしなめられて去っていった。
これを教訓に、無責任行為は二度としないでほしい。
それと、わたしはペニーを守るため強力なキックを身に着ける必要がありそうだ。
公園の真ん前に格闘技の道場があってだな、
BUDO HOUSE を直訳したものか「武道家」という表記の微妙なズレが面白くていつも微笑みながら通過するのだが、いっぺん門をたたいてみようかと。
イヌを蹴るなんて初めてだったし、すごく嫌な感触だったけど、わたしたちにはペニーを守る義務があるから。
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