週末、蚤の市の人混みに揉まれるようにして歩く妻の腰には、小さなバッグがしっかり張りついていた。
ブリュッセルで大活躍中のドロボー除けのため。
妻の職場だけでも先月のうちに以下の盗難被害の報告があった。
6月某日
カフェで昼食中、椅子の背もたれに掛けた上着の胸ポケットから財布を盗られた。数枚のクレジットカード、現金、身分証などを失った。このカフェは、各国大使館が建ち並ぶエリアにある。
6月某日
屋内スポーツ施設の駐輪場で、ワイヤーロックに固定しておいた自転車が盗まれた。ワイヤーは切断されていた。
6月某日
ドイツからブリュッセルに向かう高速列車で、座席上の荷物棚に乗せておいたバックパックを盗まれた。持ち主が居眠りしているあいだの犯行だった。パスポート、米国政府職員の身分証、公用スマートフォンなどを失った。
6月某日
職場付近の小型スーパーで買い物中、バッグから公用と私用のスマートフォンが盗まれた。被害者は、見知らぬ男にバッグを乱暴にゆさぶられることには気づいたが、盗難については外に出るまで気づかなかった。
最後のスーパーはわたしたちも何度か利用した店舗で、街なかの限られたスペースに商品を押し込むため通路が狭く、たいへん「密」な環境であることから、他人との接触をいちいち気に留めなくなってしまう雰囲気はある。
「バッグを乱暴にゆさぶられ」たくせに盗難行為を疑わなかったというのはちょっと不思議で、そのひとは脇が甘かったのかもしれず・・・
という具合に油断ならないブリュッセルで持ち物を守るにはコレ!と妻が引っ張り出してきたのが、十数年前イタリアで買ったバッグ。「色が気に入って買ったんだけどもったいなくて」ほとんど使わず死蔵されてきたのが、ここへきて大活躍することに。
だっさださだけど、いっちゃん安全だもんねー。
と言いながら乗り込んできた蚤の市。
笑っちゃうくらい本格的にガラクタばかり。
ところが、ここを歩き回りながらわたしはガラクタのあやしい魅力にとりつかれそうになっていた。
骨董品とかたいして興味なかったのに、いったいどうしたことか。
危険な蚤の市の実態についてはあらためて。
ここで警視庁からのお知らせ。みなさんスリ被害に遭いやすいバッグ、使ってませんか?
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。