家じゅうの家具の写真を撮り歩いた。
いんてりあふぉとぐらふあになったわけじゃなく、いわれのない出費を防ぐため。
たとえばこの椅子は、ぱっと見きれいなのだが・・・
よっく調べるとあちこちに具合の悪いところがある。
比較的あたらしい椅子なのに、荒い使い方をしたものか、ペットが爪を立ててしまったものか。
こうした家具の難点は、入居してすぐに自分で見つけて家主(米国政府)に届けておかないと、出ていくとき自分たちのせいにされてしまい、修理・交換の費用を何百ドル、下手をすれば千ドル単位で弁償させられるリスクがある。
税金で買った国家の財産だから厳格に管理すべきなのは当然だが、なんだかリスクを一方的に背負わされているようで微妙な気分。
いけね!見過ごすとこだったよ脚の先っちょ。
妻のつとめる役所では、世界じゅうの宿舎に共通の家具が置かれており、そのデザインは実に荘重。
アメリカの歴史ある家具メーカー製なのだそうで、これに囲まれると19世紀にワープしたかのような気分になる。
というか、リアルに19世紀からずーっと同じやつなんじゃと思うほど。
自宅パーティーに招いた外国人に「アメリカらしさ」を感じてもらうだけでなく、職員自身がアメリカ人であることを忘れるな(よもや外国にかぶれて祖国を裏切ったりすんなよ)という政府からの警告というウワサもある。
ここの家具はダッカのやつよりも全体に新しく、たとえばドレッサーのひきだしの内側に染みがついていたりせず、快適に使うことができる。
おっと天板の小キズを見逃しちゃならねえ。
とか言いながら数え上げた難点は、23アイテム、45か所にのぼった。
家具の裏側に貼られたQRコードも撮影して役所の庶務担当に送り、ショーコ写真として保管してもらう。
撮影漏れがないこと、今後2年のうちに自分たちで傷つけないことを祈るばかり。
ちなみにこの荘重なる家具、近年は違うメーカーのモダンなやつが入り始めているらしく、運よくそういう宿舎に入ったひとたちからは
これなら自前の家具と会うわ💖
という喜びの声も聞こえてくる。
そうなんです。このオールドアメリカン家具、わが家の持ち物とぜんぜん合わんのですよー。
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