「また行こっか、ベトナム村」
外食といっても選択肢の少ないアメリカ(種類はいろいろあるけど美味いものが・・・)だから、ついつい安パイを取にいってしまう。
エデンセンターでいつものレストランからテイクアウトし、同じテントの下で食す。
今回はバーミセリではなく海鮮炒めを選択。いろいろ入ってて美味しそう・・・
と食べはじめたその時、テントの反対側でワーッという歓声が上がり、そのあまりの声のデカさにメシを放り出しそうになった。
振り向けば、ベトナム人とおぼしき男たちがテーブルをかこんで何かやっている。
カードをパシッとたたきつける動きは、日本でいえば花札のようなゲームにちがいないが、声と動作の興奮度からしてお金がかかっているに違いない。
「おっとそれ当たりー!」
「うへぇちょと待てちょと待て!」
「あかんあかん、もろたでー」
みたいに盛り上がって、実に楽しそう。
男たち(ひとりだけ女性)が遊び興じる姿を見ながらふと思った。
このひとたちは今こうしてベトナム村に集まり、実に生き生きと過ごしているわけだが、普段はどうしているのだろう。
性格の悪い白人ボスの下で嫌々はたらいているのかもしれない。
それだったらまだしも、コロナで仕事を失ったひともいるかもしれない。
自分や家族がアジア人差別にあってイヤな思いをしているかもしれない。
いずれにしてもなんというか、普段の彼らが小さくなって生きている姿を想像して、なんだか切ない気分になった。
仮にそうであったにしてもだよ、週末のエデンセンターは暖かな居場所にちがいない。
賭け花札で100ドル負けちゃっても、仲間と思いっきりベトナム語で発散する時間はプライスレス。
ところで世界では「中国人うるせえ」ともっぱらの評判だが、ベトナム人もすんげえ。あんちゃんたち、おばちゃんたち、目の前にいる相手をわめき倒すほどでかい声。
でもきっとベトナム村にいるからそうなんだろう、街に出たときは別なんだろうと、かれらの小さな背中がふたたび脳裏に浮かぶループ現象。
要するにまあマイノリティーとしての共感みたいなものがあるんやな。
ふと見上げれば虹が。
不思議な光を浴び、ちょっとロマンチックになり得るランチだったが、実際には花札兄ちゃんたちの怒涛の歓声に押されまくりの落ち着かない時間になった。
普段のわたしはこういうのが苦手で、すぐにどこかへ移動してしまうのだが、なぜかこの日は「ベトナムまみれ」になるのも悪うないという気分になり、動かなかった。
次回は静かなテントでいいかな(笑)
ブログのランキングというのがあって、これをポチしていただくとたいへん励みになります。