Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

貧しい国のみじめな切手

せんぜん知らなかったんだけど、バングラデシュの硬貨のうちには日本製のがあるんだって。

2タカ(2.5円)のコインが日本で製造されたのはつい数年前のことで、5億枚流通しているという。

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この写真、ダッカを最後に発つときのものだが、なんでこんなのを撮ったのかというと、磁石にくっつくコインが面白かったから。

バッグの中で食品保存用ストラップと結合していた。

日本のコインは材料に銅などが使われており、磁石にはくっつかないが、発展途上国ではコインの製造コストを引き下げるため、鉄やニッケルなど、くっつく素材を使うことが多い。

2タカ硬貨の材料はステンレススチールで、これも思い切りくっつく。

このことに気づいたのがバングラデシュ生活の最終日というのはいささか間抜けだが、この国のリアルを体感することができてよかった。

 

日本へ来て実家の整理を進めるうち、中学生のころ集めた切手が出てきた。

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切手蒐集の世界というのはオソロシイもので、大人のガチな蒐集家は一枚何万円、何十万円なんてのを買い集めるが、田舎の中学生のコレクションなんてたかが知れており、今見返しても安物ばかりで笑ってしまう。

安物といえば(ちょっと意味が違うが)その極致が下の写真。

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「大日本帝国郵便10銭」とあるこの切手、紙質悪くインクは単色、ミシン目すらついていないガリ版刷りのような安物だ。

太平洋戦争の末期、東京都北区滝野川にあった国の印刷所が空襲で失われたため切手の製造ができなくなり、急きょ民間業者に委託して印刷したものだという。

それにしてもこの粗末な切手。急いでいたからというのもあるだろうが、戦争末期の日本の困窮ぶりはここまで来ていたのかと、胸に迫ってくるものがある。

軍備の製造でいえば、アメリカがジュラルミン製の戦闘機や爆撃機をじゃんじゃん増産していたこの時期、金属材料がなくなっていた日本では木や布でゼロ戦(のようなもの)を作っていたというのだから、体力のないやつが喧嘩を売るとこうなるという分かりやすい見本。

 

自分でもまったく覚えていないのだが、外国の切手もけっこうあり、なかには人類史にサンゼンと輝く快挙にちなむものも。

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1969年7月20日、アポロ11号による月面着陸の記念切手。

専用の封筒には月面クレーターと足跡が印されているが、ネットで調べると、この部分のデザインが違うものしか見つからない。するってえとこのデザインのやつは希少品なのか、逆にありふれた不人気品なのか・・・

と思ったのは、わがコレクションの売却を考えているから。

わたしの切手熱は40数年前とっくに消え去っており、いま見ても血が騒ぐことはない。興味もない人間に死蔵されるよりは、好きな人のところへ行って大切にされてほしいから、メルカリとかしてみっかなと。

ただし、すでに述べたように高価なものは含まれておらず、最高でも1枚数百円だから、オークションへの出品や発送の手間を考えるとアホくさくてやってられない。

出品者の多くは目玉の1枚にその他大勢をくっつけてセット売りにしているようだが、そういう作業もなんだかめんどくさくてなー

という怠惰な元コレクター。

切手のクリエイティブな手放し方、ご存知の方がおられたら教えてね。

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