Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ 現在ダッカ(バングラデシュ)

妻が触れなかった「あること」

ダッカを離れるまでの課題が、思いのほかスムーズにクリアされて驚いている。

うちの掃除やアイロンがけをしてくれる家政婦Nさんの次の働き口のことだ。

いまダッカでは家政婦や運転手の多くが仕事にあぶれている。雇い主である外国人がコロナのためバングラデシュからどんどん離脱したからだ。

うちの場合「長くても3ヶ月くらいかなあ」と今にして思えば甘々の予測をもとに家政婦・運転手さんに9ヶ月分の給料を送金し続けたが、ドライにさっさと解雇されてしまった例もあるらしい。

それでもダッカへ戻ってきて再雇用してくれればいいが、企業・団体によっては駐在員(または同伴家族)を減らしたところもある。

 

また、以下はわたしの憶測だが、バングラデシュ人が健康状態を正直に申告しない傾向にあることが、足を引っ張っているかもしれない。

この国ではコロナ陽性者が出た家に当局者がやってきて巨大な「感染シール」を戸口に貼っていくという現象が起きた。

拡大防止のための措置だとは思うが、これにより感染者の家族が徹底的な村八分にあって暮らしていけなくなるという不幸が頻発したらしい。

このためバングラデシュでは、重症になって病院に担ぎ込まれないかぎり、自分や家族にコロナの症状があっても口を固く閉ざす風潮が広まり・・・

そんな噂が外国人コミュニティに流布されるにつけ、コロナ収束までは家政婦不要、クルマは(勤め先が許してくれる場合は)自分で運転しますという人が増えているのかもしれない。

 

いずれにしても家政婦・運転手の求人倍率が1を割り、求職者の長い列ができていることは、妻の職場のオンライン情報誌の「雇いませんか」欄の長さを見ればすぐにわかる。

こうした状況下、妻が鉛筆なめなめしながらNさんの推薦文をしたため、ある日の夜、情報誌の担当者に送ったところ、翌朝いちばんに反応があった。

某国の外交官でダッカへ赴任したばかりの女性が、幼い子供の世話をふくめた家事一切を任せたいと言ってきたのだ。

ちなみに「雇いませんか」情報は各国の在外公館職員のあいだで共有されている。

 

こういうとき雇う側が神経をとがらすのは「信頼できる人物かどうか」であり、ことに幼児がいる家庭ではどんな小さな間違いでも避けたいところ。

その点において某国外交官殿は、妻の推薦文に強い手ごたえを感じ、長いリストのなかから一番にピックアップしてきたらしい。

どんなふうにNさんを紹介したのか、その概要は・・・

・細かく指示しなくてもニーズを理解して適応してくれる

・掃除アイロンがけその他の家事を厳密に仕上げる

・正直なので買い物のお金を預けても安心

・英語を読み書きし、指示メモの内容をきっちり実行する

・監視しなくてもちゃんと働き、休暇で空けた家をしっかりメンテしてくれる

・長年各国の外交官家庭で働いてきた(元雇用者からの推薦状あり)

・子供やペットのいる家でも問題なし

誇張でもなんでもない、わたしたちが見たままのことをまとめただけのことだが、あらためて他の推薦文を読むと、「長年この仕事をやってきたマジメなひとです」というだけのもの、「注意深く信頼できる」といった形容詞を多用してはいるが、その人の仕事ぶりが具体的にイメージできないものが大半。

そんななか、妻のやつは広告文のお手本といっていい内容で、有能で信頼できる人物かどうかの問いにきちんと答えており、これならイの一番で連絡が来るのも当然という気がした。

その後何件もの問い合わせが入ったが、今のところ上記の1番乗りさんが交渉権をもち、Nさんと条件の話し合いに入っている。

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エアコン故障で水浸しの床を掃除するNさん

ところで妻の推薦文、日本人だったら入れそうなある要素についてまったく触れていない。

それはNさんが少数派のキリスト教徒であること。イスラム教徒には

・豚肉を食べない=料理してもらいにくい

・イヌを不浄と考える=飼い犬との関係が難しい

・ラマダン(断食月)中はお互いにいろいろツライ

という課題がありがちのところ、禁忌の少ないキリスト教徒は外国人家庭になじみやすく、もしもこの件を広告文に入れたら強いだろう。

だがアメリカ人には、宗教について触れるのは差別につながるという強い感覚があり、この件がどれほど有利に働くかを知っていても触れることはない。問い合わせてきた人にもそういう話はしていない。

アメリカでは履歴書に職務能力以外のことを語る要素(顔写真・生年月日・性別)を入れないことが常識というか法律がそうなっており、あらゆる差別の防波堤にしようとしている。

そういう国際的なイロイロが見えてきて興味深いNさんの職さがしでありました。

うまく話がまとまってくれればいいんだけど。 

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