Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

ダッカを包むとんでもない「空気」

シンガポール航空がケチだのチャンギ国際空港で苦労しただの言いながらの旅は、コロナ感染リスクをのぞけは極楽みたいなもんだった。

ダッカに着陸した瞬間、機内での薬剤散布(これから侵入してくる蚊を殺す)にはじまり、入国審査のカウンターを這いまわる小型ゴキブリ、ルール通りに動かない空港職員、独特の臭気をはなつ大気がわたしたちのリアルを雄弁にものがたっていた。

 

迎えのクルマに乗り込む。

運転席とを隔てるビニールシートにわずかに安心するも、予期したとおり何匹かの蚊が飛び交っている。

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ちなみに大気汚染のため見通しが悪い

手に巻きつけた黄色いものは蚊が嫌う臭いを発するもので、着陸の前に体に吹き付けておいた虫除けスプレーとともに、バングラデシュの外出必須アイテム。

ひとつ足りなかったのが4000ボルトの電圧で蚊をふっとばすラケットで、これはさすがに持ちあわせがなかった。バングラでは車載の必須アイテムだからドライバーに尋ねてみようかとも思ったが、仕切りのシートを見てあきらめた。

いうまでもないことだが、蚊が媒介するデング熱やマラリアの感染は、このご時勢であれば普段にもまして全力で避けたい。

 

一夜明けて、ダッカの日常がもどってきた。

高温多湿な気候ゆえ緑ゆたかな大地ではあるが、ダッカの緑は緑色ではない。

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土埃や煤(すす)が堆積して、葉という葉が白っぽく薄汚い。

大気汚染は室外だけじゃないぞ。

9か月のあいだクロゼットにおさまっていた衣装ケースを取り去ったらこうなっていた。

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クロゼットは主寝室のもので、この部屋では大型の空気清浄機2台が9か月間まわりっぱなしだった。

ダッカ市民はこういう空気を吸って生きている。

わたしは目の痒み、鼻水、軽い咳といったアメリカと日本では鳴りを潜めていた症状が、帰宅するなりぶりかえしてきた。

このことについて書いているのは憐みが欲しいからではなく、ダッカに駐在して懸命にはたらく皆さんや、縁あってここに永住することになった皆さんが立ち向かっている現実を知ってもらいt ゲホゲホゲホッ...

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