実家の土蔵の改修工事は、大工さんに来てもらうまでの準備作業がタイヘンだった。
捨てるものをちっぽけなレンタカーに満載してゴミ処理センターに運ぶこと3回。
残ったものの多くを土蔵の前にならべて工事にそなえた。
なかには笑っちゃうくらい重いものがあり、筋肉なまりまくりのわたしと妻の細腕がギシギシ鳴った。
奮闘の甲斐あって、天井から吊るした棚以外はすべてからっぽに。
これから露出した床板をすべてめくり、シロアリ駆除と防湿工事をする。
ここまでやって一息ついたところで、わたしは静々と階段をのぼり、2階へと進んだ。
階下から避難させてきた品々で足の踏み場もなくなっているのを踏みつぶしよけながらたどり着いたのは、親父作の彫刻コーナー。
座像のなかには親父自身に似たものがいくつかあって、どんな気持ちで彫ったのだろうかと思いをめぐらす。
ここへ来たのは仏像参拝のためじゃなく、ちゃっかりとした理由があった。親父が手入れしながら使っていたノミを頂きに来たのである。
わたしは彫刻をしないし、当面やる予定もないが、たまに日曜大工をするので、ノミがあると助かる。
そんなもん自分で買えばよく、幾度かネットショップでポチしそうになったけれど、そういえば親父のがあったなあ・・・と思っては買わずにきた。
このたび、正当な相続者(笑)としてノミを受け継ぐこととなった。
見たところモノは良さげで、ちゃんと研げば切れ味が長持ちしそうだから期待している。
親父のような味のある用途ではなく、棚だの机だの日用品を作るだけのことだが、道具を生かしてあげられることは嬉しい。
それにしても、こんなもんスーツケースに入れてダッカへ行くなんてちょっとアヤシイかなあ。
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