Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

リモート葬儀にけっこう驚かされた

母の葬儀はごく少人数の近親者によっておこなわれた。

その様子を東京ほか国内数か所、アメリカ2か所にいる子、孫、ひ孫、孫の配偶者の両親など合計12人がリモートで見守った。

都会ではリモート中継をしてくれる葬儀場があるらしいが、田舎ではリモートなにそれ状態でまったく話が通じなかった。

自前でやろうにも式場には Wi-Fi すらなく、わがふるさとにはまだ21世紀が訪れていないことが判明。

大げさなことを希望していたわけではなく、スマホ撮影する映像をみんなで共有するだけのことだが、そういうことがスッとできる若い人を葬儀に向けてあらかじめ確保しておくことができなかったので、しかたなく業者に依頼した。

その業者はパソコンのセッティングや購入アドバイスなどをするショップで、リモート中継の経験はなかったが、なんとかやってみましょうということになった。

 

葬儀といっても式場でお経あげてオシマイということではなく、

 → 式場から出棺

 → 火葬場でもう一度お経

 → 遺族代表による点火

 → いったん式場にもどって食事

 → 2時間後、火葬場にもどって骨拾い

 → 菩提寺へ移動して「後経」および初七日のお経

 → 式場にもどって坊さんから戒名を授かる

というふうに全5時間にわたるメニューがあり、そのすべてが Google Meet で中継された。

 

業者さんの活躍に驚かされた。

撮影の仕事は未経験だからカメラワークはぎごちないが、こちらが見たいと思うものを一所懸命に届けるよう努力してくれた。

葬儀のお経が終わったところで棺にアプローチして故人の顔を覗き込んだり、祭壇の飾りつけをしっかり見せてくれたり。

焼香タイムのときはカメラマンも進み出て、香を摘まんだり落としたりする手もとを見せてくれて、たいへん臨場感があった。

一番驚いたのは、式場 → 火葬場 → 式場 → 火葬場 → 菩提寺 → 式場の移動風景が見られたこと。

霊柩車に続くマイクロバスに乗り込んで移動体中継。

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右端は視聴者どうしのチャット画面

小さな街だから式場から火葬場まで10分ちょっと。途中、実家のすぐ近くを通っていく。親族のうち、ここで生まれ育ってはいないが、実家周辺の様子は知っているものたちに、私がチャットで「今のところ右折すれば実家な」「この左側の家、おばあちゃんが幼いころ住んでたとこ」などと案内してみた。

 

もうひとつなるほどと思ったのは、最後に菩提寺でお経をあげたとき。

坊さんがひととおりの経を済ませたあと、参列者に冊子が渡され、キリスト教でいえば讃美歌のようなものに声を合わせることがあった。

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カメラマンさんは冊子のページをめくりながらしっかり読ませてくれたから、私たちは「こんなん見たことねえ」とかいいながら、見よう見真似で参加することができた。

 

途中の昼食休憩をのぞいて3時間にわたる中継。合間には式場に来てくれた懐かしいひとたちと挨拶したり(わたし名目上喪主だったので、これ重要)、リモート参列者同士(一番近い親族)で近況報告しあったりと、たいへん有意義に過ごすことができた。

業者さんは、今回の初のこころみがうまく行った場合はビジネスのメニューに加えたいと張り切っていて、まあそうなってくれればいいと思う。

技術的にこれほどカンタンで、ひとの役に立つものも少ないから。

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