Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

危なかったグリーンカード

50人編成のブラスバンドとバトントワラーを雇って大行進したいほど嬉しいのは、新しいグリーンカードが届いたから。

以前のカードは今から1年前に有効期限を過ぎており、わたしはたいへん宙ぶらりんな立場になっていた。

たとえば3月にバングラデシュからアメリカへもどってきたときも、グリーカード(以下GC)が切れていれば入国できない可能性があっただけでなく、そもそも出発地の空港で飛行機に乗せてもらえない可能性がかなり高かった。

このためインドにあるアメリカの出先機関に連絡して「このひとGCの更新申請中ですから」というレターを書いてもらうなど、できるだけのことはしたが、コロナによる緊急退避を前にそうそう準備できるものではなく、最後はエイヤッと出発するしかなかった。

案の定宍戸錠空港でモメ、アメリカ入国時には不法入国者などが連れていかれる「別室」で大汗かきながら説明するなど、危ない橋を渡るはめになった。

ちなみに一般の旅行者としてESTAで登録すればいいじゃんと思うかもしれないが、GC保持者は同時に別ビザを申請できないことになっており、もしも発覚したらグリーンカードを失いかねない。なおかつ今回は、3月の時点でESTAが停止しており、「期限切れのGC」でがんばるほかなかった。

 

なんで1年間もGCなしでいたのか。

申請は1年半前(去年1月)にしていた。近年は手続きに半年かそれ以上かかるとの情報を得て早々に動いたわけだが、けっきょく受理されるまで1年以上かかった。

役所の処理能力がどんどん下がっているからなのか、有色人種の移民が嫌いな大統領からのプレッシャーのせいかどうかは不明。

新カードが発行されたのは今年4月。その時点でわたしはアメリカに戻っていたから、どこかへ受け取りにいけばいいのだが、そうはしてもらえず、カードはダッカへ郵送された。

当時、国際郵便は混乱をきわめており、「大量紛失」みたいなウワサが飛び交うなか、気が気じゃなかった。

紛失となった場合について役所に問い合わせたところ、それはあなたの責任ではないがこっちの責任でもないので再発行はできない、またいちから申請してちょーだいと言われて目まいがした。

 

5月末、通常ならアメリカから1週間前後でとどく郵便が、2ヶ月近くかかってダッカに着いた。途中、追跡番号を入れても消息不明の状態が続き、ずいぶん気をもまされたが、なんとか大波小波をかいくぐってカードは到着した。

たまたま休暇で帰国するという妻の同僚に運んでもらい、今朝受け取ることができた。 

やったぜ楽隊ひき連れてパレードだぁ。

もしもこれがないと、たとえば93歳の母になにかあったとき、日本へは行けるが、アメリカに帰ってこられなくなる可能性が高い。

コロナが落ち着いたところでダッカへ戻ったとしても、任期の明ける来年2月、研修のためアメリカへもどる妻に同行できない可能性が高い。

そこをなんとかするため、あちこちの役所に掛け合ったり手紙を書いたりと膨大なエネルギーを費やすことはできるが、だからといってリスクはゼロにはならない。お役所しごとの密林をさまよう迷い人になるところだった。

 

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前回のは黄色ぽかったが今回はグリーンやね

 こういう不安定な立場から完全に脱却する方法がひとつだけあって、それは米国籍の取得。だけんどもしかし日本国籍を棄てるデメリットもけっこうありましてですね、カンタンにはいかない。

いかないのではあるが本日GCを手にしたことがたいへん嬉しいので、今夜はチョーヤの梅酒で乾杯とか悪くないかもしれない。

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