Pennyと地球あっちこっち

日米カップルの国際転勤生活 ~ ただいまラオス

アメリカ人の財布のヒモのゆるめかた

いま、カリフォルニア州サンディエゴのスターバックスで働くレーニン・グテーレス君のもとに、7万7000ドル(825万円)という巨額の「チップ」が寄せられている。

 

グテーレスのいる店は客にもマスク着用を求めており、ある日入店してきた女性客が非着用だったため、グテーレスは丁寧にルールを説明しはじめた。

だがこれに腹を立てた女性はグテーレスに怒鳴りはじめ、しまいには周囲にいた他の客をヒツジ呼ばわりして罵倒するほどエキサイトしたあと去っていった。

数分後に戻ってきてグテーレスの名を尋ね、彼の写真を撮っていったアンバー・ギレスというその女性は、こうツイートした。

「マスクをしていないからといって私へのサービスを拒否したグテーレスはこいつよ。次は警官を呼ぶし、医療免除(の証明書)を持ってくるわ」

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アンバー・ギレス嬢によるツイート

医療免除とは、2歳未満の幼児と健康上の理由でマスクをつけられない子供を対象にしたカリフォルニアのルールであり、その証明書をギレスが取得できるようには思いにくい。

後でわかったことだがギレスはたいそう固い信念をもった反科学主義者であり、マスクには効果がないという主張や、ワクチン接種に抗議する内容をフェイスブックにたびたび書き込んでいた。

 

この「グテーレスつるしあげ」事件は急速に拡散し、その結果たいへんアメリカらしい現象がおきた。

理不尽なオンライン暴力にさらされたグテーレス君を支援するための募金サイトが立ち上がり、これを書いている時点で7万7000ドルをこえる寄付が集まっているのだ。

 

アメリカ人って面白いね。

開拓時代からの自主独立精神は今も盛んで、政府に頼らず民間の寄付でいろんな社会事業を営んでいるところがアメリカの特徴だが、ヒーローを愛し、頑張っている人を讃え、気の毒な人を助ける気持ちもすごく強い。

今回の寄付金の目標額は1000ドルだったといい、これほどの額は誰も予想していなかっただろう。

その背景には、コロナで苦しい時代だからこその思いやりや、「黒人の命も大切」運動のヒューマンな盛り上がりがあったのかもしれない。

ダンサーやインストラクターとして働くことを夢見るグテーレス君の今後に寄付金が役立ってくれればいいなあ。

日本でもこういうことにお金を出す人は多いと思うけど、同時に妬みコメントもあふれそうな気が・・・

その意味でアメリカは、人間の風通しがよくて気持いい。

好きな理由のひとつです。

 

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